3. コンピュータでのモンゴル語使用環境の構築
    (1)Macintosh
    (2)Windows
    (3)JISコードに含まれる全角キリル文字の利用

 モンゴル語の読み書きをコンピュータで行うためには、モンゴル語キリル文字フォント、および、モンゴル語キリル文字を入力するためのキーボード・レイアウトのインストールが必要となる。

 フォントおよびキーボード・レイアウトのインストール方法は、コンピュータのOSによって異なる。次にMacintosh、Windowsのインストール方法を示す。

(1)Macintosh

 MongolianLanguageKit(548KB)をダウンロードする。

 ファイルを解凍し、フォントとキーボード配列書類をシステムフォルダにドラッグ&ドロップするとインストールされる。
 
 







 インストール後、コントロールパネルの「キーボード」を開き、MongolCyrillicをチェックする。
 
 








 モンゴル語キリル文字を入力する場合、ワープロ・ソフト等を起動し、入力したい場所で、メニュー・バー右上の入力切り替えメニューからMongolCyrillicを選択。フォント・メニューからUlanbaatar, Erdenet, Darkhan, Kharkhorin, Gobisumberのいずれかを選択し、入力する。
 
 

モンゴル語キリル文字のキー配列はアップルメニューから「キー配列」を起動すると表示される。

※MongolianLanguageKitのフォントは、Datacom社の作成したWindows用フォント、NewtonCTT, PragmaticCTT, CrrCTT, InformCTT, AcadHoCTTをコンバートして作成されており、それぞれUlanbaatar, Erdenet, Darkhan, Kharkhorin, Gobisumberに対応する。

(2)Windows
(a)フォント

 下のページよりフォントをダウンロードする(すべてフリーウェア、それぞれWindows用文字コード規格に基づき作成されているが、書体が異なる)。

ftp://hopi.dtcc.edu/pub/berlin/fonts/monfonts.zip
(書体:NewtonCTT, PragmaticCTT, CrrCTT, InformCTT, AcadHoCTT)

http://www.mobinet.mn/download/mongol.zip
(書体:ArialMon, TimesNewRomanMon, PragmaticCTT)

http://members.tripod.com/FM102_5/mongol_font.zip
(書体:ArialMon)
 
 

 任意のフォルダに解凍し、コントロールパネルの「フォント」を開く。「ファイル」から新しいフォントのインストールを選択。
 
 







 新しいウィンドウが開いたら、先ほどフォントを解凍したフォルダを指定する。すべて選択ボタンを押し、OKボタンを押すとフォントがインストールされる。
 
 







(b)キーボード・レイアウトの変更(カスタマイズ)

 フォントをインストールしただけでは、モンゴル語で書かれたHP等の閲覧ができるだけで、入力はできない。入力するためにはキーボード・レイアウトを変更し、キーボードの各キーにキリル文字を割り当てなければならない。

 ※カスタマイズによってシステムに異常をきたしても、当方は補償いたしません。あくまでも自己リスクで。

 変更するためには、下のURLより、Keybord Layout Manager(500KB:シェアウェア、Windows98、Me、2000に対応)をダウンロードし、インストールする。

 様々なバージョンがあるが、ここではWindows98で、Keybord Layout ManagerのMedium版を使用する例で説明する。

 ダウンロードしたファイルを解凍すると、インストーラーが表れるので、ダブル・クリックし、指示に従って、任意のフォルダにインストールする。 

 次に、任意の外国語キーボード・レイアウトを追加して、それをKeybord Layout Managerを使って、モンゴル語用にカスタマイズする。

 まず、コントロールパネルを開き、「キーボード」を起動する。「言語」タブをクリックし、「追加」ボタンを押す。任意の外国語キーボード・レイアウトを追加(ここではイタリア語)し、OKボタンを押すと必要な書類のコピーが始まる。インストール終了後、再起動する。
 
 







 起動後、コントロールパネル内のKeybord Layout Managerのアイコンをダブル・クリックする。
 
 







 先ほどインストールしたキーボード・レイアウト・ファイルを選択し、「Edit」ボタンを押す。
 
 







 すると、次ページのように、キーボードと、文字コード表ウィンドウが開く。
 フォントボタンを押し、NewtonCTT等のモンゴル語キリル文字フォントを選択する。


 

 キーボード・ウィンドウ上のキー・ボタンを押し、割り当てたい文字を文字コード表から選択すると割り当てた文字がキーに表示される。

 右端のボタンは、「Normal」が押してある状態が通常のキーボードの状態、「Shift」はシフト・キーを押した状態でのキー配列を表す。

 大文字、小文字、数字、記号等の割り当てが終わったら、OKボタンを押して保存し、コンピュータを再起動する。

 ワープロ・ソフト等を立ち上げ、モンゴル語キリル文字フォントを選択した後、タスク・バーの右端にあるIME切り替えボタンを押し、カスタマイズしたキーボード・レイアウトを選択し、入力する。







(3)JISコードに含まれる全角キリル文字の利用

 JISコードには、全角キリル文字のセット(大文字・小文字それぞれ33字)が含まれている。これに、ロシア文字に含まれない母音2文字を、ギリシャ文字シータの大文字”Θ”、小文字”θ”、全角ローマ字の大文字ワイ”Y”、小文字ヴィ”v”で代用して、下図のようにモンゴル語キリル文字を一通り表すことができる。
 

АБВГДЕЁЖЗИЙКЛМНОΘПРСТУYФХЦЧШЩЪЫЬЭЮЯ

абвгдеёжзийклмноθпрстуvфхцчшщъыьэюя
 
 入力方法は、入力したい位置にカーソルをあわせ、日本語IME(MS-IME(Win)、ことえり(Mac)、ATOK等)のメニューから文字パレットを選択し、ロシア文字、ギリシャ文字を表示させて、入力したい文字をダブルクリックする。


ATOK for Macintoshの文字パレット

 この表記法は、日本語が扱えるすべてのコンピュータが何のインストールも必要なく、標準の状態のままで、モンゴル語キリル文字を表示できる点で優れている。

 しかし、全角文字のため見た目が悪いことや、文字パレットからマウスでクリックして入力するのが面倒である、日本語システム以外では表示できない等、不便な点も多い。

 このため、日本人向けのHPやeMailで、短いモンゴル語文を表記するのに利用するのが適当であろう。

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