1. モンゴル文字のコード
 モンゴル文字を日常的に使用する内モンゴル自治区を有する中国では、2000年に採用された国家標準文字コード、GB18030でモンゴル文字のコードを規定している。
 GB18030はUnicodeを拡張した文字コードで、Unicodeでは切り捨てられた中国国内の小数民族の文字を表すことのできる規格となっている。
 同規格に準拠したフォントを含むパッケージ(GB1830 Support Package 簡体中文版)がMicrosoftよりダウンロードできる(ただしWindows 98/MEは未対応)。
(インストールによってシステムに問題が生じる可能性もあるが、そのような場合、筆者はいっさい責任を負わないので、あくまでも自己責任で行うこと)

 ダウンロードして、インストーラ(GBEXTSUP.EXE)を起動すると下のようなウィンドウが開くので、指示に従いインストールする(以下Windows 2000での例)。



 これでGB18030準拠のSimSun-18030、NsimSun-18030というフォントがインストールされる。
 日本語IME(ここではATOK)の文字パレットでNsimSun-18030を開き、Unicodeの文字を閲覧すると、1800〜18A9(16進数)にモンゴル文字、トド文字、満州文字が定義されているのがわかる。下図に当該部分のコード表を示す。


(ATOKの文字パレットにて表示)


 コード表ではほとんどの字母が語頭形で現れており、語中、語末形は見られない。文字パレットではGB規格の全てのフォントが表示されるわけではなくUnicode領域しか表示できないことから、語中・語末形はGB独自のユーザーエリアで定義しているようである(調査中)。

 フォントは漢字等と同様、縦向にデザインされており、手元にあるワープロソフトでは接続した形で表示することができなかった(入力はATOKの文字パレットから行った)。


(MSWord2000での表示例)


 GB18030は中国小数民族の文字を網羅した優れた規格であるが、あくまでも中国国内の規格であるため、我々のように日本語OSを使用する環境でモンゴル文字を表示させるには若干難がある。
 またモンゴル国でのモンゴル文字の規格化の動きとの連関についても気になるところであり、今後この点についても調査したい。

参考WebPage
漢字文献情報処理研究会:GB18030関連情報

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