2. モンゴル文字の入力環境の構築(I)
1.で見たように、GB18030によるモンゴル文字入力環境は未だ整備されたものであるとは言えない。
本項では、GB18030規格に則ってはいないが、Internet上から無料で入手・構築できるモンゴル文字入力環境について紹介する。
なおインストールによってシステムに問題が生じる可能性もあるが、そのような場合、筆者はいっさい責任を負わない
ので、あくまでも自己責任で行うこと。
(1)Mongolian NotePad
Mongolian NotePadは、内モンゴルのWebPage"
www.mongolculture.com
"にて、無償で配付しているモンゴル語ワープロおよびフォントのパッケージである。製作者はOrgil氏で2002年1月現在バージョンは1.0.2.22。
Windows用のものであるが、同梱されているフォントはコンバート・ツールを使うとMacintosh(Classic, OSX)でも使用できるので、
Macへのインストール方法
も紹介する。
Windowsへのインストール(Windows2000での例を示す)
www.mongolculture.com
にInternetExploler(Netscape Communicator Ver4.75では正常に閲覧できなかった)でアクセスする。
ページ下部のメニュー中央部のモンゴル文字で書かれた"mongGul kele"をクリックする。
すると、下のようなウィンドウが別ウィンドウで開く。フロッピーのアイコンをクリックすると、Mnote.exeというMongolian NotePadのインストーラのダウンロードが始まるので任意のフォルダに保存する。
また、同時に開いたウィンドウは自動的に"Mongolian web control"とフォントをインストールしようとするため、下のような確認画面が表示されるので、「はい」を押してインストールする。
"Mongolian web control"とフォントをインストールすることで、IEでモンゴル文字を表示させることができるようになる。
次に先程ダウンロードしたMnote.exeファイルをダブルクリックして起動する。すると下のようなインストール画面が表示されるので指示に従いインストールする。インストール後は、再起動を促されるので再起動する。
再起動後、スタートメニューにMongolian NotePadのショートカットが登録されているので起動する。
Mongolian NotePad
まず、メニューの"Options"の"Font"を選ぶ。インストーラによってシステムにMongolFF(筆記体)、MongolF5(活字体)の2フォントがインストールされているのでそれを選択。
キーボード配列はメニューの"Help"の"IME"を開くと上図のように表示される。
日本語フォントを選択すると、モンゴル文字部分まで日本語フォントになってしまうので、混在表示できない。
モンゴル文字フォントはASCII領域に直接割り当てられているので、Mongolian NotePadでなくても一般のワープロソフトでも問題なく表示できる。ただし、他のフォントに変換すると文字化けするので注意。
Macintosh
へのインストール
www.mongolculture.com
を主催するOrgil氏の許可をいただき、Macintosh版にコンバートしたファイルを配付できるようになった。Mac版フォントの公開に快く承諾いただいたOrgil氏に感謝したい。
モンゴル文字フォントをダウンロード
し、解凍する(解凍には
StuffItExpander
が必要)。
解凍するとMongolBicigというフォルダが作られる。フォルダ内のMongolF0〜FFまでの16書体のフォントおよび「MongolBicig」というキーボードレイアウト書類を起動ディスクのシステムフォルダにドラッグ&ドロップする。
↓
すると下のようなアラートメッセージが出るのでOKを押せばフォントのインストールは終了である。
キーボード・レイアウト
インストールしたキーボード・レイアウトを有効にするために、コントロールパネルの「キーボード」から、"MongulBicig"キーボード配列にチェックを入れる。
任意のワープロソフトを立ち上げ、メニューバー右の入力切り替えアイコンを"MongulBicig"にして、フォントをMongolF0〜FFのいずれかに指定する(下はNisusWriterでの入力例)。
キーボード配列は基本的にモンゴル文字のローマ字転写に近い形で配置した。語頭形は"Shift"キーとの組み合わせで、語末形は"Control"キーとの組み合わせで入力できる。
また、"b"、"g(k)"、"p"、"f"等の文字は母音と組み合わせでフォントが作成されているために、入力に際してはデッドキーを使用し、当該の子音を押した後に母音キーを押すことで出力できるようにしてある。
詳しくはアップルメニューから「キーボード配列」を起動して確認できる。(「キーボード配列」のキャプチャ画像は
こちら
)。
(2)OSX
OSXへのインストール方法については、
ここ
を参照のこと。