第二章
ポピちゃん写真集
あらい熊を飼うのはとても骨の折れる事ですが、ふとみせる、その労を忘れさせるかわいいしぐさをご覧下さい。
前章でお話しした出来事以降、屋外で遊ばせる事ができなくなり、毎日、20〜30分熊小屋から出して、部屋の中で自由に好きな事をさせるようにしました。
以下の写真はその時撮影したもで、1歳から今日までのものです。
ポピちゃんは、部屋のちょっとした変化も目ざとく見つけます。
好奇心が非常に強く、ちょっと見慣れないものがあると、臭いをかぎ、噛んで、手でいじくり回し、更に小屋に持ち帰り洗面器の中で洗いまくります。
ライター、ボールペンなどを出し忘れていると、必ず見つけて、分解が始まります。
小屋に持ち込んで、一晩の間にライターを左の写真のように分解。
驚く事は、ただ噛んで壊すのではなく、パーツに分解するのです。
両手でライターを持ち、軽く噛んで引っ張たり、爪を隙間に入れてほじくりだしたりして、部品を壊す事なく分解して行くのです。
歯は、ペンチ、爪は時計ドライバーのように使いこなします。
しかも、根気よく納得の行くまで。
人間なら一流のエンジニヤになる素質を十分に持っています。
ポピちゃん、『何を期待して、分解するのですか?』。
ポピちゃん曰く、『そこに物があるから』
と言いそうな顔をしています。
こうですから夏の夜、虫が明かりに誘われて、小屋の中に飛び込んで来ようものなら、さあ大変。
特にセミが大好き。両手で捕まえて洗って、羽を残して、生きたままバリバリ食べます。
ある夜、4〜5cmのクマン蜂が電球の周りをブンブン。
小屋から出すと、早速ラティスフェンスを上って行きました。天井に組まれた柱をフーフと言いながら蜂を追って右往左往。
あらい熊は猫のように身軽ではなく、動きもヨイショという感じなので飛んでいる蜂を、しかも柱にしがみつきながら追いかけているポピちゃんでは、とても捕まえる事は無理です。
逆に襲われ、刺されてドスーンと落ちるのではないかとハラハラしていました。
ところが、ドッコイショ、写真のように蜂に向かって両手と体をいっぱいに伸ばし、手ではたき落としたのです。
写真を良く見ると、柱をまたいで、両足で柱を挟みこんで体を支えているのです。
お見事ポピちゃん。
『サルも木から落ちる』といいますが、ポピちゃんは絶対に落ちません。
信頼性が非常に高い手足のカギ爪と、石橋をたたいて渡る慎重さを兼ね備えているからです。
話はそれますが、ぐらぐらしている机に移る時は、石橋をたたくように、手で2度3度体重を適当にかけて確認してから行動するのです。
とても用心深い性格です。
蜂に刺されたらしく、舌でペロペロ手をなめていました。
しばらくして、床に落ちた蜂のところに行き様子をうかがっていましたが、何もせずにその場を離れました。
こんなポピちゃんですから、思わず抱きしめたくなるのですが、それは、悲惨な光景が待ち構えているだけです。
首を180度回して、鋭い歯でいたるところ噛みついてくるのです。
それでも、ごきげんな時は、頭や、背中をなでてやると、気持ちよさそうにしてペロペロなめてくれます。
ところで、ポピちゃんは、人見知りをするのです。夜、小屋に近づと、飼い主だと、飛びついて噛み付きにくる。
見知らぬ人だと、小屋の中に逃げ込む。全く犬と正反対です。
これですから、ペットとして飼うのは一筋なわではいけません。
やはり、ポピちゃんは野生動物なのです。野生に返すのが、一番幸せかも。でも日本ではそれはできません。
と言うのもポピちゃんの故郷は、北米のミシシッピ流域の森林地帯。そこでは、毛皮が重宝なため、多くの仲間が毛皮にされているとか。
ならば動物園の仲間はどうしてるのか気になり、伊豆バイオパークに行きました。続きは仲間たちをクリックして下さい。
ハチをはたき落とした時、さされて少し痛かったです。
今後、面白い写真が取れ次第随時追加する予定ですので、見てね。
両手を前に出し、顔を床にピターット伏してヒラメのような怒ったポピちゃんを撮りたいのですが、噛み付かれそうになるのでなかなか撮れません。
でもいつか撮ってここに紹介したいです。
Copyright (c) 1998 ポピ 最終更新日: 1998/5/11