ハードディスク領域を5個以上アクティブに、ブート可否の変更

[ ACTVPTN ] Version 1.20

Copyright 1998-2021 まりも

1.【ソフト概要】

 PC-98のハードディスク管理の仕様として、1台のディスク装置では アクティブなパーティション(領域)は4個までとなっていますが、 これはどうやらMS-DOSなど OS 側の仕様の問題でもあるようです。

 ハードディスクの管理領域側で強制的に5個以上アクティブにした場合、 それなりのディスクドライバを使用すれば、論理ドライブとして認識され アクセスできるようになります。Windows95/98の場合は、GUIが起動してから、 5個目およびそれ以降のアクティブな領域に対してドライブが割り振られる ようになっています。Windows2000では、アクティブでない領域もドライブ の認識が可能となっています。

 本ソフトは、単にハードディスクの管理領域を操作して領域をアクティブ 属性にしたりスリープ属性にしたりするもので、実際に認識可能な数は OSによります。

 バージョン1.10より、DOS版に加えてIPLware版が追加となりました。 特定のパーティションがアクティブだとDOSが起動しないような場合でも、 IPLwareとして本ツールを入れておけば、DOS起動前にスリープにすることで DOS起動の障害を回避できます。

2.【 DOS版の使い方 】

 MS-DOS、Windows95/98,Windows98のDOSモード起動のプロンプトで、

     ACTVPTN

と打つだけと、至って簡単です。あとは↑↓のキーで対象ハードディスク 装置を選んでリターンキーを押して下さい。次に、変更を加えたい領域を 選んでリターンキーを押すして下さい。次回起動した時点でその内容が反映 されています。なお、5個以上の領域がなくてもかまいません。任意の領域 をアクティブ/スリープに変更できますので、この機能のみに関しては、 操作の煩わしく間違えやすいFDISKコマンドの代用にもなります。

 同様に、「ブート可能属性」を変更するツール BOOTPTN もあります。
     BOOTPTN
と打つだけ実行されます。あとはメニューに従って下さい。ブート可能 属性は、アクティブでない領域に対しても設定できますが、実際にはその 状態ではブートできません。必ずアクティブ属性にもしておいてください。

3.【 IPLware版の使い方 】

 まずIPLware.exeを用意しておいてください。MS-DOS、Windows95/98,Windows98 のDOSモード起動のプロンプトで、
    IPLware  ACTVPTN.BIN
と打てば組み込まれます。ただしメモリスイッチの起動順位トップのディスクに 組み込んでください。ACTVPTN.BINはIPLが起動するディスクドライブにしか作用 しません。別のディスクドライブに組み込んで作用させたい場合は、DOSのメモリ スイッチ設定コマンド(switch)などで起動装置をそのディスクドライブにして おいてください。

 IPLwareからこのプログラムが実行されると、パーティション選択画面が出ます ので、アクティブ、スリープの切り替えを行いたい領域を選んでリターンキーを 押してください。

 次に「よろしいですか」という表示が出ます。よければリターンキーを 押してください。ESCキーを押せばなにもせずに即座に終了します。

 いっぽうここで[A]を押すとさらに追加して選択することや、いま変更した ものを元に戻すことができます。カーソルはトップに移動していますので、 アクティブ状態の変更が必要な領域のところまで動かしてから、再びリターンキー を押してください。「ディスクに書き込みました」という表示とともにbeep音が すれば書き込みされています。

 なおキー入力待ちを永遠にするようでは不便なため、およそ5秒間キー操作 がなかった場合にはなにもせずに終了するようにしてあります。5秒としています が機種によって実時間の長短がありえます。操作を考える時間が足らないという 場合は、実行に影響の無いキーをたたくようにしておいてください。

 ただしこの待ち時間が機種によってかなり異なってしまう問題があります。 そこでバージョン1.20からは、バイナリエディタによって待ち時間にかかる変数を 直接編集して調整できるようにしました。バイナリエディタでACTVPTN.BINを開くと 先頭のほうに「時間」という文字列が見えます。その直後の2バイトが 40h 00h と なっています。これは0040hという1ワードの値です。これを増減することで 待ち時間を調整できます。半分の時間にしたければ 20hにします。

4.【使用上の注意】

 このソフトを用いたからといって、即5個目以降の領域がDOSなどからドライブ として見えるようになるわけではありません。MS-DOSの場合それなりのディスク ドライバが必要となります。SCSIドライブの場合は、ASPIマネージャと、それに よって動作するASPI経由のディスクドライバを用意する必要がありますが、 PC-98のパーティション管理に対応しているドライバでなければなりません。 しかも5個目のアクティブ領域をドライブとして使用できるようになって いるものでなければなりません。このあたりはドライバの設計次第です。 内蔵(IDE)対応のディスクドライバとなるとほとんど見かけません。

 確実に5個目以降のアクティブ領域がドライブとして見えることが分かって いるのは、Windows95/98です。GUIが立ち上がってから新たにドライブ名が追加 されます

 うまい使い方としては、どっちみちMS-DOSでは見えない32bitFATの領域を 5個目以降に置いてWindows95/98専用のドライブとするなどの方法があります。 こうするとドライブレターのずれが起こらなくてすみます。巨大なハード ディスクの場合、初めの4領域をあまり大きくない容量で確保し、ここは OS 起動可能なドライブとしておき、残りをFAT32の巨大な領域として使う ことにより、クラスタギャップのムダを最小限に減らすことができます。

 本ソフトで5個以上アクティブにしている場合、FDISK.EXEやFORMAT.EXE を操作すると、アクティブな領域が4個までに戻ってしまうことがあります。 その場合は本ソフトを再度走らせて下さい。

 (バージョン1.08より)パーティションの容量も表示するようにして いますが、「MB」の値はMiBで小数部切り捨て値です。ただし「MB*」と表示される 小容量のものについてはKiBの1/1000の値の整数部としています。そうしないと フォーマッタなどで示される確保容量値と合わなくなるためです。

 IPLware版では、IPLwareのローダを起動したディスクドライブの領域の アクティブ切り替えを行います。その他のディスクドライブのアクティブ 切り替えはその状態ではできません。メモリスイッチの起動装置を目的の ディスクドライブにしたうえで、そこにIPLwareを組み込み、actvptn.binも 組み込んでください。したがって動作可能なのは「固定ディスク#1」、 「固定ディスク#2」、「SCSI固定ディスク」のうちIDが最も若い番号のもの、 に限られることになります。

 セクタ長256バイトのディスクドライブにも対応していますが、IPLware版 では、IPLware本体のバージョンが3.80以上である必要があります。

 IPLware版そのものはV30以上のCPUに対応していますが、組み込む際に IPLware本体が80286以下に対応していません。IPLware本体の実行時に、 デバイス選択表示をせずに、メモリスイッチで指示されたデバイスに 組み込む場合は 80286,V30でも実行できます。

 DOS版はCPUが80386以上でないと全く動作しません。

 非常に古い仕様である「標準フォーマット」には一切対応しません。

 ACTVPTN.BINでは、OS/2のHPFSファイルシステムのIDが不明でしたので、表示 が対応できていません。バイナリエディタでACTVPTN.BINを開き、先頭0から4バイト 目の値をOS/2 HPFSのFSIDにすれば、OS/2 HPFSと表示されるようになります。

5.【ソフトの行なっていること】

 ハードディスクのパーティション情報が書かれているところの領域属性 バイトのうち、アクティブ/スリープに関わるビットをトグル動作で変更 しているだけです。なお、MS-DOSあるいはWindows95/98で見えない、 「他のOS」すなわち NTFS、HPFS、N88BASIC、PC-UX、FreeBSDの領域を アクティブにしてもあまり意味はないかもしれません。

6.【一般的注意事項】(無保証・無責任)

 本ソフトの著作権は、作者である「まりも」が有します。 基本的にコピーフリーなソフトとします。今のところは、不特定多数の人が ダウンロードできる場所への転載は禁止としますが、電子メールでお問い 合わせ下されば、許可をすることもあります。  動作の検証はある程度行なっていますが、作者は、本ソフトウェアの動作 ならびに本ソフトで処理したハードディスクの動作を完全に保証するものでは ありません。

 いかなる状況下でも、本ソフトを実行・適用した場合における、損害 (データの損失・機器の故障・利益の損失・精神的苦痛など)に関する一切 の責任をとりませんので、予めご了承下さい。それに同意できない方には、 本ソフトの使用を禁止します。  なお、ドキュメント中の「Windows」など、商品名はその版権者の商標 あるいは登録商標となっています。

7. 【改版履歴】


ACTVPTN.BIN
1.10  2021.10. 1 IPLware版の新規追加
1.20  2021.10.10 領域なしのとき即終了、バイナリ編集で待ち時間変更可とした

ACTVPTN.COM
1.00  1998. 3. 5 初版公開
1.02  1999. 9.15 画面上に表示されるカーソル位置の修正、Win98の記述追加
1.04  2002. 2. 2 64GBを超えるハードディスクの容量表示の修正
1.05  2004. 9.21 ,2019.9.27 再公開
1.06  2019.12.29 セクタ長256ByteのHDDでの動作確認、画面デザイン変更
1.07  2019.12.30 プログラムサイズの縮減(1.06でもとくに問題ありません)
1.08  2020. 1.14 パーティションの容量も表示するようにした
1.09  2021. 9.26 パーティションのファイルシステムIDの表示を追加
1.20  2021.10.12 ブート不可のN88BASIC領域の存在が無視されるのを修正

BOOTPTN.COM
1.00  1999. 9.15 初版公開
1.04  2002. 2. 2 64GBを超えるハードディスクの容量表示の修正
1.05  2004. 9.21 ,2019.9.27 再公開
1.06  2019.12.29 セクタ長256ByteのHDDでの動作確認、画面デザイン変更
1.07  2019.12.30 1.06版がブート可否設定できていなかったのを修正、サイズ縮減
1.08  2020. 1.14 パーティションの容量も表示するようにした
1.09  2021. 9.26 パーティションのファイルシステムIDの表示を追加
1.20  2021.10.12 ブート不可のN88BASIC領域の存在が無視されるのを修正

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