マザーボードのBIOS ,uEFI ROMを読み出す汎用プログラム

EXMBROM Ver. 1.00 使用説明書

Copyright (C) 2012 まりも

1.目的

 マザーボードのBIOS ROMを読み出す手段は、通常はBIOS ROM書き込みプログラム の機能として備わっているはずです。しかしメーカ製PCではBIOS ROMの書き込み プログラムが用意されていない場合もあります。また書き込みプログラムの機能に バックアップ作成がないという場合や、実行プログラムとその機種専用BIOSROM データが一体になっていて分離できない場合や、ROMデータ部に圧縮がかかって いて内容がよくわからない場合が考えられます。このような場合でもマザー ボードのBIOS ROMを読み出したいという目的で、本プログラムを作成しました。

 なおここで言う「BIOSのROM」とは最近では「EFI」の場合もあります。 内容ではなくて対象物を意味しています。

2.実行

 プログラムを解凍したら、リアルモードのMS-DOS上(*)でコマンドプロンプトから
  EXMBROM  

とだけ打ちENTERを入力します。次に何KBのROMであるかを尋ねられます。 日本語モードDOSの場合次のようなメッセージが出ます(英語モードでは相当する英文で)。
    ROMのバイトサイズをKB単位で入力してください  

ここではキロバイト容量値を基本的には 2のベキ乗値を指定してください。 すなわち16384, 8192, 4096, 2048, 1024, 512 のいずれかです。 ROMの容量についてはそのマザーボードに載っているROMチップの型番など から容量を調べておいてください。もしわからない場合は、16384など大きめ の値を打ち込んでおけばよいでしょう。全バイトがFFhのデータは無効な ファイルです。

 すると FFF80000.ROMなどの512キロバイト(512KiBytes)のファイルが作ら れます。指定したROMサイズ÷512KBの個数だけファイルが作成されます。 実際より大きい容量を指定した場合、ファイル名の16進数値の小さいほうは 内容が全バイトFFhになっています。したがって内容のほうから容量を推定 することもできます。

 最近のほとんどのマザーボードで、上位のアドレスのデータから順に、 ROMの物理アドレスも高いほうから格納されているようです。しかし必ず そうであるという保証は作者にはできません。

 これらを1つにまとめたファイルも出力されます。出力ファイル名は MB_BIOS.ROMという固定の名前で、カレントディレクトリに作成されます。 マザーボードメーカ供給のROMファイルが得られる場合には、これと比較して みてください。

 (*)EMM386を組み込んでないDOSのことです。Windows9xのDOSであっても EMM386さえなければ構いません。

3.注意

・このプログラムでは4GBメモリ空間の上位にあるBIOS ROMエリアを上位から 512KBずつに分けて読み出し、ファイル化するだけのことしかしていません。 したがって4GB空間に全データが投影されていないような機構(例えば同じ アドレスでバンクを切り替えて投影する機構)のマザーボードについては このプログラムでは扱えません。つまり必ずしも全てのデータがファイル化 されているという保証はありません。

・ほとんどのintel CPUマザーボードでは、このプログラムで読み出した ROMデータの低位のアドレスにあるものがROMのデバイスの物理アドレスでも 低位にあるようですが、それは保証の限りではありません。すなわち読み 出したときのアドレス順序が、そのROMの物理的アドレスの順序になって いるという保証はありません。

・このプログラムで読み出したROMデータには、そのPCでシステムまたは ユーザが設定し書き込んだ情報も含まれます(たとえばDMI情報など)。 通常、マザーボードメーカが供給するROMデータにはそれらは含まれませんが、 実機から読み出したデータにはそれらが含まれます。つまりこのプログラムで 読み出したROMデータにはハードウェア環境情報やBIOSパスワードなどが 含まれるかもしないということです。したがってマザーボードメーカが供給 するROMデータとはバイナリレベルで完全一致しないブロックがあり得ます。 また逆に言えば実機固有の情報はそのような場所にあるということになります。 BIOS ROMを解析したい場合にはそのことに注意してください。

・以上のようなことから、このプログラムが読み出した実機のBIOS ROMデータ "MB_BIOS.ROM" をそのまま書き込みに用いることは推奨しません。 それにより起動できなくなる可能性もあると思っておいてください。もしその ようなことを行う場合、起動不良、動作不良、不可逆的故障など、いかなる 事故が発生しても、作者責任は負いません。

4.お約束事項

 このプログラムはフリーソフトウェアです。自由に使用してよい代わりに サポートのようなものはありません。直接・間接的に、このプログラムの 運用の結果に何があっても、作者は一切責任をとることはないものとします。

 著作権は作者にあります。著作権者の意向を無視したことはしないでください。 たとえば不特定多数がダウンロードできる場所への無断転載は禁止とします。 このプログラムで扱うデータについても著作権侵害のないように注意してください。

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改版履歴
年月日          版      内容
2012-06-09      1.00    新規公開

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