生あることの真実

 たとえ、人間が、生命が、単なるタンパク質の塊で、偶然このように動いたり、変化しているだけのだったとしても…。たとえ、心というものが、脳というタンパク質が複雑に組み合わさった物体に電気信号が通うことで起きているものだったとしても…。人間自身の手で、人間をコピーしたり、人間の心の構造まで完全に解析、データ化できるような技術が出きたとしても…。

  「生命の尊さは何も変わらない」
  「生きている喜びは変わらない」
  「自分という存在は変わらない」
  「人を愛する心は変わらない」


 生命に関する事実がどんなものであったとしても、今自分が生きていること、今自分が何かを感じ、何かを考え、何かを伝え、何かを願い、誰かを憎み、誰かを愛する、そのことは何も変わらない。それが自分にとっての真実。

 とはいうものの、実際に衝撃的な事実に出くわしたとしたら、自分の心は壊れてしまうかもしれない。でも、いつか心が落ち着いて自分にとって一番単純かつ根本的な部分、つまり自分の本質に、自分にとっての真実にたどり着く事が出来たら、衝撃を乗り越えられる。自分を見失うことなく、生きていくことが出来る。

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