ブレーキパッド、ブレーキローター交換


説明
インプレッサ(GC8G STi6)のブレーキはフロント16インチ対向4ポット、リアに15インチ対向2ポットと、スポーツ走行レベルには十分なキャパシティのモノが使われています。
すでに5年62,000km走行していますが、あまりパッドが減っていません。ブレーキに負担を掛けない運転を心がけているためでもありますが、街乗りでは純正パッドで十分なキャパシティがあるとも言えます。
ですが、スポーツパッドを体感すると、純正パッドに不満を感じます。
・強くペダルを踏まないと良く効かない。懐が深くない感じ。
・ブレーキダストが多い。
・純正なのにちょっと鳴く。
純正パッドの不満点を解消するような方向で選択します。
また、インプレッサのブレーキは他社のクルマに比べてローターが減ります。パッド交換2回にローター交換1回と言われるくらいローターが減ります。
当然62,000km走行もしていると、レコード盤のようにローターが減っているのが見て取れます。この状態のローターを交換せずにパッドだけ交換した場合、パッドとローターが馴染むまで時間がかかり、またレコード溝が消えるまで両方が一気に削られます。

ということで、パッドとローターを同時に交換することにしました。
今回もIIEAで評判が良かったWinmaxのG02を基準として、リアを弱めのR02としました。R03やRmetalは鳴きが多いという評判だし、せっかく鳴きが少ないG02を選んでいるからということで、R02に決めました。
ローターは次に交換することは多分無いので、若干奢りました。フロントは熱処理済(heat treatment)のスリット入りです。リアは効きの弱いパッドなので、スリット無しの熱処理済みとしました。
リアにスリットローターを奢る金銭的余裕が....(涙

部品
部品メーカー型番詳細
ブレーキパッド(フロント)WinmaxG02 361使用温度範囲:常温〜600℃
ブレーキパッド(リア)WinmaxR02 361使用温度範囲:常温〜600℃
ブレーキローター(フロント)DELPHI-LOCKHEEDHTSL-7001熱処理済み,スリット入り
ブレーキローター(リア)DELPHI-LOCKHEEDHT-7004熱処理済み
ブレーキフルードHONDABF DOT41L

Winmax G02紹介ページより引用
G01に対して制動性能、特に初期反応を高めた特性のG02。FF車や4WDのジムカーナはもちろん、グラベルラリー、ダートラなどでも自在なマシンコントロールを可能にします。
これもRmetalとの組み合わせがベース、R03を選ぶケースも同様です。FF車や4WDのジムカーナはG02をベースにセッティング、グラベルラリーやダートラはG01からはじめるというやり方がスタンダードです。
ちなみに、Winmax G01は以下のように記載されています。
FR車でのジムカーナやグラベルラリー、ダートラなどでの扱いやすさを重視し、踏力にリニアな特性を持たせたコントロール性を重視した材質設計。

交換
1.ローター前処理

届いたローターは錆保護の油が塗られているので、ブレーキクリーナーとウェスでパッドの当たる面とホイールの当たる面の油を落としておきます。
また、どうせサビサビになるならと、純正ローターに以前施したRBS塗布を新品のうちに行います。前回のRBSの余りが殆ど無いため、普通の耐熱スプレーを使いました。
2.フロントパッド取り外し
かなり端折ってますが、ホイールナットを緩めた後四輪をジャッキアップします。
ホイールを取り外し、安全のため車体の下に置いておきます。
キャリパーの奥にある針金(パッド,クリップ)を抜き、ピン(ピン,ディスクブレーキ)2本をキャリパーから抜き取ると、ピンにテンションを与えている板(クロススプリング)とパッドが外れます。
取り外したパッドからシムを外し、それぞれのパーツをブレーキクリーナーで清浄します。
作業は左右同時に行わず、片方が終わってから反対側を行います。もし取り付け方が判らなくなっても、反対が手つかずなら見比べることで正しい組み付けが出来ます。
取り外した純正パッドと新品のパッドを並べて見ました。
62,000km走行で半分弱しか減っていないようです。
3.ローター取り外し
キャリパーを針金でストラットから吊るして、ハブ側のボルト2本を外します。
固着していなければローターはそのまま抜き取れます。
取り外した純正ローターと新品のローターを並べて見ました。
4.組み立て
ローターをハブに合わせて、キャリパーを取り付けます。
そのままではパッドが入りませんので、出ているピストンをピストン戻しツールで戻します。
対向4ポットだと同時に四個を押さないといけないので、ピストン戻しのSSTが無いと大変です。

鳴き止めのシムは通常片側2枚使用しますが、ダイレクト感を増すためにスリット入りのシムを抜き、片側1枚だけ使用しました。
耐熱グリスをパッドとシムの間に薄く塗り付けておきます。
外した時の逆の手順でピンなどを取り付けます。同様に反対側のローターとパッドを交換します。
6.リア
基本的にフロントと同じ手順で作業を行います。

外したパッドはほとんど減っていません。
フロント寄りのブレーキバランスのせいでしょう。
リアはドラムインディスクなので、ローターを外す時サイドブレーキを解除しておかないと外れません。
また、サイドブレーキの自動調整を元に戻してから調整する必要があります。
サイドブレーキワイヤの引き調整はレバー横のダブルナットを締め込むことで短くできます。
3〜5ノッチくらいで効くように調整しますが、戻した時に引きずりが起きないようにローターの動きを確認しておきます。
7.フロントホイール
制動時に発生した熱を制動時に発生した熱を効率良く排熱出来れば、峠の下りなどでフェードしにくくなります。
ローターとホイールを密着させることで熱容量を増やし、冷却しやすくします。
手っ取り早い方法として、ローターとホイールの接触面にシリコングリスを薄く塗ります。これはCPUとヒートシンクの間に塗るシリコングリスを流用します。



どうせならということで、途中でブレーキフルードの交換も行いました(写真無し)。
ビニルホースにワンウェイバルブを組み合わせた自作ワンマンブリーダを使用しています。
#これが何回やってもエア噛みしたような気がして、不安な作業なんです(汗

そんなこんなで昼から夜までかかってとりあえずの作業は終わりましたが、サイドブレーキワイヤの引き調整が足りないとか、前後ローテーションしたタイヤのエア圧の調整をしていないとかで後日再調整を行いました。

結果
最初、まったく効きませんでした(汗
ガレージを出ての1発目が抜けるのは知っていたので、走行前に何回かブレーキを踏んで十分準備をしておいたんですが、安全のため低速で数回踏んでも効きません。
まるで激しくエア噛みしたみたいに....(滝汗
そこでローターの状態を確認すると、パッドに擦られた跡がほとんど無く、当たりさえ付いていない感じでした。
これではエア噛みか判断がつかないので、さらに何回かブレーキを踏むと普通に効くようになりました(ホッ

今回パッドはそこそこ安くあげていますので、全体としてはミニサーキットレベルの性能といった所です。
鳴きはほとんど無いです。シムが少ないことを加味すると鳴きは無いといってもいいでしょう。初期馴染みが終わって、これから増えてくる可能性はありますが。
ダストは純正と同じくらいですが、ダストが黒いために多く感じます。
純正と同じ方向でちょっと効くって感じで選んだので、満足できるレベルに仕上がりました。


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