チャンバ(レゾネータ)外し・フェンダー内吸気


インプレッサのチャンバ(レゾネータ)外しを行ったので、その様子を紹介します。
説明
インプレッサの後期型は右側ヘッドライト後方に吸気ダクトがあります。この位置では停止中はエンジンの熱気を吸い込み、走行中でもラジエーターを通過した熱気を吸い込んでいます。過給器付きエンジンは吸気温度が上がるとパワー低下が起こりやすいので、無駄にパワーを食われていることになります。
そこで、吸気ダクトを取り外し、ラジエーターを通らない場所から吸気するように配管を変更します。インプレッサはヘッドライト裏から一旦フェンダー内のチャンバ(chamber)と呼ばれるタンクを抜けてエアクリーナーボックスに入っています。
チャンバはレゾネータ(resonator)とも呼ばれ、吸気脈動、吸気音の低減を行っています。
#一般的にはレゾネータのほうが通りがいいようですが、スバルではチャンバと呼びます。
このチャンバを取り外すことで、フェンダーからフレッシュエアを取り込むようになります。また、吸気音とブローオフバルブの動作音が聞こえるようになります。

このページはGC8G(F型も同じ)での作業を説明していますが、他のモデル(A〜C,D〜E)は青春指南役のインプレッサDIYチューニング&メンテナンスのDIYナビゲータを参照してください。
問題点
チャンバ外しはいくつかの問題があり、その点を踏まえた上で実行する必要があります。
・大雨時などに雨水を吸入する可能性が増える
 フォグランプ横のスリットから吸気し、直接エアクリーナーフィルタまで雨水が届く可能性が高くなります。
 水たまりの通過時にタイヤの跳ね上げる水がインナーフェンダーのすき間などからエアクリーナーフィルタに届くかもしれません。
・エアクリーナーフィルタ汚れ
 雨水と同様に異物がエアクリーナーボックスまで到達するようになります。
・エアフロ故障の可能性が増える
 エアクリーナーフィルタの先にある非常に繊細なエアフロが壊れるかもしれません。

.......ゴミについては置いておいて、豪雨の時に全開にする馬鹿はいない(はず?)ので、問題ないと思います。
工具
インナーフェンダーの取り外しに+ドライバ、内装剥がしなど
チャンバの取り外しに10mmのメガネレンチ、平ラチェット、ソケットレンチなど
右前輪をジャッキアップし外すので、パンタグラフジャッキとホイールナットレンチ
パーツ
吸気ダクトを外してしまうので、その穴を塞ぐようにアルミ板など(今回は手抜きしてアルミテープ)
異物の吸い込み低減用にすき間テープ
手順

1.右前輪取り外し
右前輪をジャッキアップし、取り外します。
2.インナーフェンダー取り外し
インナーフェンダー(マッドガード,フロントライト)を取り外します。全部外す必要はなく前半分のみファスナーを外してください。ファスナーの詳細は筋金くんの取り付けを参照してください。
インナーフェンダーの前側にあるバンパー下のカバー(マッドガード,フロントアンダライト)を外します。
(カバーを上から見た写真。右が車体前方)
3.板金取り外し
チャンバの後ろ側にある灰色の板金を取り外します。
1本のボルトは写真右上にお尻が見えています。
もう一つのナットはエンジンルーム側のエアクリボックス横にあります。
このボルトとナットは平ラチェットを使うと楽に取り外せます。
中央の黒い物体がチャンバの下半分です。
(黄色いハーネスはエアバッグ衝撃センサの配線のようです)
4.チャンバ取り外し
エンジンルームの吸気ダクト(ダクト,アウトレット)を取り外しておきます。
吸気ダクトとエアクリーナーボックスの中間にあるワッシャ付きナットを外します。
バンパー下からチャンバ前方下部のワッシャ付きナットを外します。
エアクリーナーボックスにダクトが挿し込まれていますので、チャンバをこじって外します。
(写真は中央の白いボルトから3項の板金のナットを取り外した状態)
5.チャンバ
取り外したチャンバです。
中央上の穴が吸気ダクトに、右上の穴がエアクリーナーボックスに繋がります。
左が車体前方になります。
中は空洞で、下膨れのY字になっています。底にはφ3程度の小穴があって水抜き用だと思われます。
今回はさっぱりと全部外しましたが、パイプのみ切り取ってエアクリーナーボックスに差し込んでおく方法もあります。この場合ラムエアなど違った効果を追加できるようになります。
ちなみにこのチャンバ(P/N.46040AE000)の価格は\3800です。
6.吸気穴塞ぎ
チャンバ外しした状態ではエンジンルームの熱気がフェンダー内に入ってしまうので、吸気ダクトが差し込まれていた穴を塞ぎます。
今回は手抜きをしてアルミテープで塞いでいます。
吸気温度センサを付けるところが無くなったので、チャンバの取り付けボルトの穴にゴムパイプを加工して取り付けます。
しばらくこの状態で走ってみて、問題が無ければアルミテープをアルミ板か純正のメクラ蓋に交換し、その板に吸気温度計を取り付ける予定です。

7.板金取り付け
外した時の逆の手順で、チャンバを支えていた板金を取り付けます。
エアクリーナーフィルタの位置を考えて、吸気口の下部にスポンジテープを貼り付けました。
インナーフェンダーから水が上がって来たときに効果があるはず(気休めです)。

8.インナーフェンダー取り付け
外した時の逆の手順で、バンパー下のカバーとインナーフェンダーを取り付けます。
ホイールを取り付け、ジャッキを戻して終了です。
9.CPUリセット
今回は行っていませんが、チャンバ外しを実施した他の方は吸気量の変動を学習させるためにバッテリの−ターミナルを取り外してCPUリセットを行っているようです。
結果
アイドリングは特に変わりありません。
始め、低い回転から繋ぐと若干低速トルクの落ち込みを感じました。
しばらく走るとCPUが学習したのか問題無いレベルまで回復しました。
予定通り、ブーストがかかると「シュゴー」と吸気音が聞こえます。
その状態からアクセルを一気に戻すと「プシュー」と吹き返しの音が聞こえます。
ブースト圧はオーバーシュートも含めて特に変化はありません。

実際の効果はともかく、効果音だけで当社比1.5倍のトルクアップです(爆
意味もなくブーストを掛けてニヤニヤする妖しい運転になってしまいそうです。

土砂降りの雨の中を走行した後のエアクリーナーボックスの底には水溜まりができていました(汗
ただ、チャンバを外していなくても水が溜まるようです。問題は溜まる量ですが、ボックスの底から少し上の位置に水抜き用と思われる小穴がありますのである一定量以上の水は抜けてしまいます。
やはり雨の強い時や、水溜まりを通る時は気を使ったほうがいいでしょう。

 
吸気ダクトの刺さっていた穴をアルミテープで塞いでいましたが、今ごろになって思い出したので部品を購入しました。NAモデル用純正部品のプラグ,エアインテーク46059FA000(\330)です。中央に穴を開けてSTiモデルにだけ付いている吸気温度センサを固定できるようにしました。
注意
インプレッサのエンジン(特にSTiバージョン)は吸気系の変更に影響を受けやすく、デリケートです。
このチャンバ外しにより空気の動きが変わるため、最悪ブローまで起こりえます。
特にCPUの学習が不十分な状態で高負荷高回転の運転を行うことは避けてください。


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