乞食


1997/09/13 Rogue Sonya@yomi
(Lv.7)

9月3日の一件以来 /whois コマンドで KK を探し続け、 ようやく同じゲームに潜り込むことができた。 しかしゲームに入ってみると、皆キャラレベルが 17 〜 19 くらいいってる。もう 10 日経ってるからな。 PKは経験値が出ないから、こっちはまだレベル7だ。
しかし一発でも「あうっ」と言わせれば、まあ満足だと思い、何気なくポータルを潜った。
Cave のモンスターの大軍だった。瞬殺。
半分寝ぼけ眼だったのが良くなかった。こんな使い古しの手にかかるとは。

ポータルを開けたのは Aowaye という奴だったが、こっちが死んですぐゲームを出ていった。 アイテムを取るでもない、たんなる悪戯だ。引っかかった自分の情けなさも手伝って、完全に頭に来た。 よほど追いかけて行こうと思ったが、しかし丸裸では何もできない。
ゲームに残っていた Lia と KK に子細を話してサルベージを頼んだところ、 Lia が town に戻ってきて請け負ってくれた。 KK は姿を見せないが、Lia と一緒に B9 〜 B11 を探索しているようだ。

その間 town で待たせてもらったが、15 分ほどして Lia からギブアップを聞かされる。 二人にとっても、Cave はやはりきついのだろう。 どうしようもない。二人に礼を言って立ち去ろうとしたが、 Lia が「キャラ代えて来るから待ってて」と言い、いったん出ていった。
KK と二人きりになった。

Sonya@yomi > KK、あたしのこと覚えてる?
Sonya@yomi > 以前、別のゲームでお互い会ってると思うけど。
Sonya@yomi > あなたに会うために、ここに入ったのよ、実は。

「とんだヘマふんで、復讐どころじゃなくなったわ。」 と冗談めかして言おうと思ったが、 英語がすぐに出てこなかった。KK は一言も喋らないまま、quit していった。


Lia はやがてレベル 50(!)の別キャラで戻ってきた。 そして Awsome Helm of the Moon だの、Holy Mail of Perfection などといった極上アイテムをガンガンとプレゼントしてくれた。 彼の親切の手前、嬉しそうにはしゃいでは見せたが、ペコペコと彼に頭を下げているうち、 だんだんと自分が情けなくなってきた。

普段から「PKは、油断していた被害者も悪い」というのが自分の持論のつもりだったが、 いざ自分の身に災難が降りかかってみれば、このていたらく。
しかも好意で恵んでもらった装備で、また明日からPKしようってんだから、 ホントに人非人だな。
いっそサルベージなぞ頼まず、潔く quit した方が良かった。

Lia と別れたあと、もうPK廃業しようかと本気で考えたが、 結局 Lia に貰ったアイテムを全て換金し、裸に戻った。
アイテムも獲物も、明日からまた、一から見つけ直すことにした。


もちろん、サルベージに協力してくれた Lia と KK の好意には、感謝している。



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