ビュッフォンの針(拡張版)

 ビュッフォンの針(拡張版)とは、平面上に一定幅[a]に平行線を引き、そこにある長さ[l]の針を落としたときにどういう確率[p]で針と線が交わるかと言うものです。
l <= aのときは簡単です。
p=2*l/a/πです。ここまでは普通のビュッフォンの針。
それ以外の時はちょっと複雑です。これが拡張版です。
p = 2*(l+a*arccos(a/l)-sqr(l^2-a^2))/a/πとなります。(詳しくは下の証明)
注:acosはcosの逆関数。
 sqrは()内の平方根

もうお気づきかもしれませんが、これからもπを求めることができます。
まず、実際に針を落として実験してみます。
それで、lとaの値さえ分かれば、後はpに実験で出た確率を代入し、πを求めます。

たとえば、a=lのとき、100本落として63本が交わったとします。
0.63=2/πなので、π=3.17460となります。

l=2*aのとき、100本落として84本交わったとすると、lに2*aを代入し、
0.84=2*(2*a+a*acos(a/a/2)-sqr((2*a)^2-a^2))/a/π
=2*(2*a+a*acos(1/2)-sqr(3)*a)/a/π
=2*(2+π/3-sqr(3))/π
よって、π=3.09172となります。
あまり精度がよくないようにも思いますが、83本交わったとするとπ=3.28、85本交わったとするとπ=2.92ですから、一番ましな数字とも言えます。(事実これは実験値ではない)
実際に値を求めてみるなら、a<=lのときがいいです。
それでも大変だとは思いますが。

<<証明>>
針の中点から一番近い平行線までの距離をxとおくと、その針が平行線にかかる確率は、
のとき、 それ以外のときは0である。

のときなので、

arccosの積分については下図参照



のとき


証明終


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