オリジナルに顔向け

 フジテレビでショムニがまた始まるそうな。やはりあのメンバーでないといけないらしい。何しろキャラが立っているからなあ。
 個人的に楽しみにしているのはオープニング。前回の全編ワンカット(一カ所ちょっと苦しいが)に匹敵するものが作れるであろうか。
 作った人はヒッチコックの大ファンなんだろうなあ。ひょっとして一番こだわったキャストは満帆商事の社長だったりして。(^^;あの体型でないとできないブラックユーモアというのもたしかにあったぞ。そういえばあの社長、途中から出てきたわりにキャラとして立っていたなあ。(原作には社長は出てこない)

 前回のオープニングは、どことなくフレンジーの香りがしていた。テムズ川上空からロンドンを俯瞰して、カメラはついにタワーブリッジをくぐりかけるというあのオープニングである。さすがに同じものはできないから早回しにしてごまかしているが、でもそのぶきっちょなところも精一杯やっていたし、全体として高く評価する。TVの画面解像度で済むんだから模型飛行機にCCDをつけて映せばいいじゃないかという説もあるだろうが、模型飛行機なら地下のショムニの部屋までワンカットでは行けないからあそこでつないだ、と言われれば納得してくれるであろう。
 新しいオープニングは何になるだろうか?あれに対抗できるとなると、イントレランスばりに、ビルに遠景からカメラが接近、そのまま壁沿いに上昇して最上階に。そこからレベッカ風にガラスを通り抜けて室内へ、、、という感じかなあ。でもレベッカのオープニングはメル=ブルックス(新サイコ)でもまねできなかった。大丈夫だろうか。まあ、メル=ブルックスはギャグでガラスを割ったのかもしれないが。

 同じようにフレンジーのオープニングを彷彿させたなあと思い出したのが、NHK朝の連続テレビ小説「ひらり」。これは似たようなコマ割りを隅田川でやった。しかし、これは元ネタに対して不誠実である。はじめは上空からの絵、いきなり船の上から橋をくぐる絵に切り替える。まあ雰囲気は悪くない。でも、あなたそんな画像でオリジナルに顔向けできますか?

 雰囲気が悪くないんだからいいじゃない、みんながみんなヒッチコックを知っているわけでもないし、という意見も当然あるだろうが、じゃあヒッチコックを知らない人間にだけ受ければいいの?という突っ込みには開き直らない限り答えられないだろう。
 多少傾向は違うが、良質なパロディはオリジナルを知らない人にも十分受けて、かつオリジナルを知っていればどんなにか面白かろうと思わせるような水準に達しているもののようだ。同じように、「ひらり」のオープニングもオリジナルを知らない人にもオリジナルの良さ、すごさを伝えるものであってほしい。少なくともその気持ちは伝えてほしいと思った。あんたNHKでしょう。フジテレビでもあそこまでやったのよ。

 確かにオリジナルが凄すぎて、伝えることが出来ないものは存在する。でもね、せめて一生懸命やろうよ。ポピュラーミュージックのカバーバージョンが単なる曲数稼ぎのマネで終わるかどうかはここにポイントがある。自分のオリジナル曲への憧憬くらいはしっかりと表現してくれ。(王様のよいところは、この気持ちがビンビンに伝わってきたところだ。)
 Jonny.B.Goodは幸せな曲だ。この曲が生み出して、やがて自分に吹き込まれたロックスピリッツをこの曲を歌うことによって恩返しさせてくれる。

ルイジアナの奥ノラ近く
常緑樹茂る丘の上
掘っ建て小屋が立っていて
住んでる少年良太郎
読み書きもろくに出来ない
けれどギターを鳴らしゃ鐘のよう
(彼は)ギターを袋に詰め込んで
線路の脇の土手の陰
列車の走る音(に)合わせ
ギターをじゃんじゃんかき鳴らす
ゆく人みんな驚いて
「あんな子どもが弾いてるよ!」
彼の母さん言ったとさ
おまえは名門楽団に
多くの人が周りから
おまえのギターを聞きにくる
スポットライトを浴びて
「今夜は良太郎!」
私のスピリッツ、感じていただけますでしょうか。
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