ビールの広告で「天然水」使用。というのがある。広告ネタ、目次へ
いったいこれはなんだろう。水道水でないということは分かるが「水」などというシンプルなものに天然と人工の区別なんかあるのだろうか。天然酵母で作ったパンというのは確かに美味しいが。(今日も美味しいパンを焼いてくださいましてありがとうございます。)
まあ、これだけならそんなに気にはしないのだが、「天然レモンを発酵させたお酒」などというのがあってついつい気にかかってしまった。その広告に写っているレモンの写真はどうみても栽培レモンである。うーん。ということは天然水と言うのは栽培された水に対して言っているのかあ?
谷川の水をそのまま使ったら天然水かもしれないが、商品にするからにはそれなりの消毒はやっているんじゃないかなあ?え、酒は結局アルコールで消毒されるから水の段階で手を加える必要はない?そういえばそもそもビールは水を原料として加工したもの。だったら「天然水100%使用の水道水」もあっていいぞ。
そこまで考えるとビールを水道水を使わずに造ったときの明らかなメリットは「カルキ臭さがない」ということくらいなものだろう。しかし、カルキが入っていれば酵母菌の活動が阻害されるから、そもそもビールなんかできないだろう。それともそんなビールを売っていたのか?かくして「天然水使用のビール」という表現は「水使用のビール」と同じくらいの、いちいち言うまでもないような表現であることが判明した。「うまい水」を使用というのなら強調する理由はとってもよく分かるとして。
それでも「天然水」に対する「人工水」という言い回しはあるかもしれない。
石油から水素を抽出し、燃やして水を作る。こんなのがあればやはり「人工水」と言いたくなる。しかし、なんとコストのかかった水であろうか。(でも中近東の産油国なら、海水を淡水化するよりこっちの方が安上がりだったりして。)