日経新聞の全面広告。上を見るとMicrosoftのロゴとWindows2000 Datacenter Serverの文字。下を見るとUNISYSのEnterPrise Server ES7000の文字と写真。どうやらWindowsを積んだUNISYSのPCサーバーの広告らしい。広告ネタ、目次へそして、その間にいろいろなお客様の声が並んでいる。「先端技術とコストパフォーマンスのよさが決め手(三井住友銀行)」とか「汎用性の高いシンプルかつフレキシブルなシステムの構築に最適(TOTO)」といったもの。
でも読んでいるうちに???どう解釈しても誉め言葉にならないお客様の声もあった。え、ダウンサイジングというか、ともかくPCサーバーが使われるようになってきた理由というのは「コストパフォーマンスが圧倒的によいから」ではなかったんだっけ。なのになんでホストコンピュータとコストパフォーマンスが一緒くらい、というのが採用の理由になるの?
- 「ホストコンピュータに勝るとも劣らないコストパフォーマンスで、柔軟性も備えている(JTB)」
- 「汎用機に匹敵するオープンなマシンが登場した以上、それを利用することは必然(日本ユニコム)」
汎用機に匹敵するオープンなシステム?今までPCサーバーはクローズドなシステムだったということ?でようやく囲い込みの厳重な汎用機レベルになってきたということ???わ、わからない。これらのお客様の言葉、いったい誰が書いたんだろう、と思ってみた。普通に考えるとお客様に書いてもらって、それの掲載許可を(多分日本ユニシスの広報担当者が)もらって、場合によっては一部書き直して、なんだろうなあ。たしかにお客様の声の中には至極妥当なものもある。「サーバの分散設置よりも、統合サーバのほうが運用管理の手間とコストがかからない(グンゼ)」だから大型のサーバーを入れたというのは至極妥当。「汎用機並みのスケーラビリティと信頼性パフォーマンス、そしてサポート体制(レナウンルック)」今までPCサーバーの弱点とされていた部分が改善されているから採用、だとすれば同感同感。
とすると、日本ユニシスの広報担当者はお客様の声をそのまま聞かせてくれていると見てよいかもしれない。ということは、お客様の声を通して、ユニシスおよびマイクロソフトは次のようなことを述べていることになる。少なくとも次のような意見を認めている。
あれ、違和感がない。
- ユニシスのPCサーバーのコストパフォーマンスは汎用機以下であった。
- Microsoft Windowsは汎用機よりもさらにクローズトであった。
普通、こんなことは隠そうとすると思った私が間違っていたのだろうか。お客様が、誉め言葉に見せかけて、本音を書き、それを嘘ばっかりついているという罪悪感を持った広報が、罪滅ぼしにそのまま載せた、と思いたいところ。だとするとまだまだユニシスやマイクロソフトも捨てたもんじゃないなあ、という気になるじゃございませんか。