白雪姫の身長

 娘がディズニー版白雪姫フリークであることは以前も書いた。で、白雪姫の背の高さが気になっているらしい。
 当方も興味を持って測ってみることにした。ディズニーランド、シンデレラ城のアドベンチャーランド側に白雪姫の井戸があったのを思い出したのだ。これを基準にすればよい。
 多少回りの目を気にしながら井戸の囲いの高さを測った。中途半端な数字だなあ、と思いつつ、あ、ひょっとして「インチ」単位か、とみると、うん31インチ。
 井戸と白雪姫の身長比は映画で分かるところがある。画面を止めて計測。で、計算した答、白雪姫の身長は165センチ。
 靴の厚みを考えると、丁度私の母親の身長と同じだ。かくして娘には「白雪姫の身長は、おばあちゃんと同じだよ」と教えた。娘は「おばーちゃんと同じ」と納得している。
 ああ、親孝行した。

 ちなみにディズニーランドには、私の母親の作った服を着せていった。白雪姫をイメージして袖はちょうちんだし、首の周りにもひらひらがついている。メルヘンでよろしい。しかし、ファンタジアランドで白雪姫のエプロンを売っているのを見つけた。もちろん買って着せてみた。元の服と測ったようにベストマッチ。
 おかげでその日はすれ違う20人くらいから「あ、白雪姫だ」と言ってもらえた。その話を聞いて私の母親は飛び上がらんばかりに喜んだ。ばーちゃん孝行な孫である。そのせいかもう一着服を作ってくれるそうだ。

 ここで白雪姫の身長算定に使った井戸、底に鏡でも張っているのかと思いきや、硬貨が詰まっていた。なにを思ってか来た人が投げ込むらしい。井戸の底に色とりどりの硬貨が腐っている様は実に醜い。日本人はなぜか水の中にお金を投げ込む習性があるようだが、その対策を講じていないとはローカライズが不徹底だ。まあトレビの泉でも似たような習慣が見られるらしいから万国共通なのかな。ユーロディズニーランドやアナハイム、オーランドのディズニーランドではどうなのだろう。
 私はこの井戸を「ディズニーがローカライズに失敗した部分」と捉えているが、もう一つ大きな要因がある。Meet the worldがつまらな・・・ではなく。「なぜリゾートと言っているのに温泉がない」。
 実際、遊園地が客離れを食い止めるため温泉を併設する例が増えているらしい。後楽園やとしまえんといった名門ですらそうなんだそうな。もっとも天然温泉ではないようだが。これに倣ってディズニーリゾートでも温泉を引いてはどうかと考えた。
 でもそんなことが可能だろうか、それについて考えてみた。
 掘るのは無理かもしれない。何しろ元ゴミの埋め立て地だ。でも掘ることができればおそらくは出てくるだろう。江東区の銀座湯は正真正銘の天然温泉である。沸かし直す必要があるとはいえ南関東一帯には化石海水が広く分布しているそうだ。六本木から徒歩10分、麻布十番温泉は有名だし(なぜ「セーラームーンを生んだ美人の湯」と宣伝しないか不思議だ。)習志野市まで行けばラジウム鉱泉さえある。よし、強引に掘れば出てくるぞ。
 なおラジウム鉱泉「鷺沼温泉」、津田沼から歩いてゆけるので、例えば幕張メッセなどに出張に来た人にはいいかもしれない。ただし脱衣所にロッカーはなく竹の篭が積まれているので貴重品等を持っていかないよう注意のこと。ちなみに私がここで詠んだ歌「でんきゅうや 蓋付きのかわや ぽっとんと」

 閑話休題、かくして「ディズニーリゾートに温泉はなんとか作れる」という結論に達した。
 では、、、はて、キャラクタが一緒に風呂に入ってくれるわけではなさそうだから、さあどこでディズニーらしさを出せばよいのだろう。よく考えると温泉の色もいまいちだ。多分重曹泉なので色は茶色か黒である。グリーンとかならよかったんだが。これは都立大学駅鷹番の湯に倣って入浴剤を入れる?薄い茶色なら湯船の中からライトアップして金色に光らせるというのも手かも。まあこれで浴槽にミッキーの絵でも描けばなんとかそれっぽくなる。

 でも誰が利用するのだろう。温泉に浸かる間も忘れてパークの中を走り回るという人が多いんじゃあ。あるいは近場の社内旅行の宴会客をあてにする?
 待てよ、ディズニーランド原則は屋外である。今の時期であれば朝早く入ってアトラクションを回り、日中日陰でだらしなく寝ている方を多く見かける。この人たちを温泉に取り込めないだろうか。冬は寒さに震えている人が多いし。
 朝から晩までアトラクション満載のディズニーランドには日中の休憩場所としての温泉が有効ではないかという(ディズニーシーはマーメイドラグーンが屋内なのでちょっと違うかも)仮説がたった。東京ディズニーリゾート、温泉アイランド、なんぞを作るといいかも。場所はディズニーランドとディズニーシーの中間だな。

 温泉は引ける、需要もある。残る問題は「集客に結びつくか」である。さらにいえば今まで来なかったお客さんが温泉を作ったからということで来てくれるかということだ。
 温泉による集客効果は都心の後楽園。通勤沿線のとしまえんに比べて不利である。アフター6パスポートを買って入園し、温泉に浸かって帰るという客がどの程度いるかよくわからん。
 マーケティングの結果、温泉を作るということが効果ありと認められたとする。その場合でも「温泉を作ることが誇り高きディズニーの御意向に沿えるかどうか」という隠れた大問題がクリアされるかは微妙なんだが。

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