親の権利と思うけど

 うちの娘は美人である。10人が10人、可愛いという。
 いったい、両親のどのDNAをどう結合するとこんなのが出来るのか、たいていの人に疑問に思われる程度は美人である。まあ多少似ているところがあるので、うちの子であるというのは一目瞭然で、出生を疑われたことはない。よかったよかった。

 目立つもんだから、母親の職場訪問、なんかに参加すると、社内誌および一般紙の記者がうちのガキの後を(集中的に)ゾロゾロついてくるらしい。読売新聞の夕刊に写真が載っていたから本当だろう。社内ニュースにも載ったことはいうまでもない。もちろん真ん中で目立っていた。
 こんなもんだから萌えファッションをさせて秋葉原なんぞを歩かせたりすると、カメラ小僧がシャッターを切りまくって騒音公害になるに違いない。ただ唯一の問題点は、天然パーマなんだよな。

 さて、今年の場合は中学入試のときも目立っていた。降り注ぐシャッター音の中を歩いていた。当然テレビカメラもやってきていた。ふーん、これがハイビジョンカメラね。

 で、期待してテレビをつけた。うんうん、中学入試のニュース。録画スタート!お、ばっちり放送されている。これで落ちたら恥だが、記念にはなる。さあ、編集して卒業式のビデオと一緒にまとめてとっとこうか。。。

 ところがだねえ。コピーガードがどうので全然編集できない。HDMI経由で映像が取れないのは仕方ないとしても、RCA使ってキャプチャーしようとしても何故か上手くいかない。ある程度ガードかけるのは仕方ないとしても、ちょっとやりすぎと違いますか、誰だってそう思うだろう。

 まあ、著作権を気にするのは分かる。(本当は著作権隣接権保護だとおもうんだけど。)でも映像の利用をここまで不便(というか不能)になるまでガードするなら、
「うちの娘の肖像権はどうしてくれる。勝手に使うな!」
である。多分百万言を費やして説明してくれるだろう。卑怯にも途中交代しながらね。僕が納得するまで一人の人が説明してくれるならまだ相手になろうという気はあるが、卑怯者は嫌いです。少なくとも拡大解釈を交えつつ権利を主張するのであれば、他人の権利(この場合肖像権)は尊重して欲しい。まあ放送時は局アナの顔にでも入れ替えておいてください。それならあきらめつきますから。もっとも、うちの子以上の美人アナなんて貴局にはいないと思います。だからせめてニュースのような公共性の高いものだけでも、コピーガードをはずしてくれませんかねえ。ドラマとかの無際限なコピーを気にするのはそれは理解できるからさあ。

 詭弁のやり方に「少数の例外から一般論を導く」があります。上記の論で「だからコピーガードはけしからん」という結論を出せば「詭弁の論理に当たるから詭弁だ」という異論は出てくるかと存じます。だから「ニュースのような公共性の高いもの」という限定をつけた。ここでの「公共性」という単語の使い方、ずるいかなあ?でもね、ここに「災害連絡のような公共性の高いもの」を付け加えてやれば結構強い主張になるよ。それに「親として娘が映ったニュース、とっときたいよね」という気持ちに嘘偽りはないと思うのですが。
 でさあ、今回は通ったからいいものの、もし落ちていたらどうすんだ。ニュース見た顔見知りに後ろ指つつかれるぞ。ようするに恥かかされてたんだ。肖像権を侵害しておいて、ただで済むと思うなよ。

 ここで「分かりました。取材したテープを未放送分も含めてダビングしますから、御内密に」とでも連絡してくれればいいんだが、そんな可愛げのあるテレビ局ではないんだろうなあ。

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