大ヒット商品にできるとおもしろいかな

 浜岡原発停止。で、広野火力発電所(福島第一・第二原子力発電所と同じ双葉郡)も本当に再開できるのぉ?ということで、やっぱり夏場の電力は足りなくなると思われます。
 更に言うと「災害で足りなくなるなら仕方ない」と当初は節電に協力的であった一般市民も、東京電力(および政府)のあまりにもいい加減で場当たり的な対応と情報隠しに嫌気がさして「なんで節電に協力してやらんならんのや」という気分に傾きつつあるんじゃないかと思います。というわけで、消費電力もじわじわ上がっている。
 これは夏場の電力、やっぱり持ちそうもないです。

 じゃあどうすっかってことで、いろいろ考えておるのだが、まずは「空調服」なんてもんを買ってまいりました。服の腰の部分に扇風機が付いており、風を送り込むというものです。もっともオフシーズンということもありサイトでは殆ど売り切れ、です。それに現物を見ずに買うのも怖い。
 ところが東急ハンズで現物を販売している実績があったようなので問い合わせたところ(品薄みたいだけど)「ある」。GWで暇だったので(ニョーボ子どもは別件でお出かけ)行った。

 な、なんというダサさ。一応作業服っぽいのを念頭において行ったのだが、それにしてもダサい。なんつうか、縫製が甘い。すごく安っぽいではないか。
 元々が冗談みたいなアイディアなので期待するほうが野暮かもしれんが、あちこち詰めが甘い。電源のオフ/オンは外側からはできないし、電池ボックスのポケットにマジックテープが付いているが、電池ボックスを入れると留まらない。
 この辺の甘さは他にもあるらしく、ワイシャツタイプは、胸ポケットの裏に電池ボックスがあるので、電池を入れると胸ポケットにものが入らないとかいうレポートもある。しかし何といっても赤外線対策をしていなかったので屋外では暑くてかなわないというのが「頭で考えたもの」ということの顕れだろう。
 だだし、これはすぐに改善がなされたようだ。繊維にチタンを吹き付けることによって赤外線カットを実現したらしい。ホントはそのタイプが欲しかったのだが、在庫としてはなく、仕方なく作業服というかブルゾンタイプを買った。色は民主党色と東京電力色と2つあったがオフィスで着ることを考えて東京電力色にした。この種の服、以前であれば無茶苦茶目だっただろうが、民主党と東京電力が露出度を上げてくれたので、以前ほど妙とは思われまい。
 使用感は「普通に快適」。大事なことである。いかにも冷えてますでは風邪引くし、暑いんでは何のために買ったのか分からない。劇的に快適、ではないがおもわずコックリコックリしそうになったのだから、考え方によっては一番いいのだろう。ただし風を吸い込むのが腰の部分。腰が特に冷えるので腰痛になる方がおられるかもしれない。
 もう一つ問題があって、外から空気を吹き込むので服が膨れる。平たく言うとデブに見えるのだ。そんなわけで発明者の娘は「絶対着ない」と言っているらしい。はー、娘が父親を認めないのはどこでも同じか。テクマクマヤコンコンパクトを手がけた工業デザイナーも、娘はそれで遊んでくれなかった、と言っていたしなあ。爆発的大ヒットだったにもかかわらず、である。

 それでも、と考える。このダサさ、なんとかなるまいか。多分何とかなる。かのチタン吹きつけ屋外用、ある場所にもっていって売れば、売価2万円に跳ね上がるがバカ売れする。ディズニーランドだ。
 つまり基本的に屋外の遊園地であるディズニーランドは、夏の炎天下、並んでアトラクションを待つことになる。このときコイツが売ってたらどうする。買わないか?もちろん事前調査は必要だろうが、それはミッキーのイラストを入れるという条件は付くと思うが、さらには空気取り入れ口がミッキー型になって加工が大変にはなると思うが、中国でもロサンゼルス・オーランドでも売れると思うぞ。そしてディズニーランドで売れれば、もうダサいとは言わせない。
 ディズニーシーなら売れないかもな。保冷剤を内蔵したダッフィー君のぬいぐるみが作られれば太刀打ちできるわけがない。

 しかし屋外用空調服には「チタン吹きつけ」という強いセールスポイントがある。赤外線遮断の手法としては多少大げさかと思ったが違うのだ。データはとる必要があるが、間違いなく「放射線を遮断する」。ガンマ線、中性子線は無理だが、ベータ線なら止められそうだ。
 夏の暑い日、肌を露出せずとも涼しく、放射線を防ぐ。今の日本はテレビや新聞で「今日の放射線量」が報道されるような嫌な国になったんだぜ、つい買ってしまわないか?なに?ファンで空気中の「放射能」を吸い込むから良くないって?そうかもしれんが外部からの「放射線」は防げるぜ。放射線は主に土壌から出てくるんだから、遮断の効果の方が大きいはずだ。

 そこまで気にするのって、やっぱり僕だけ?いや、福島県でなら売れるかも。嫌な言い方だな。少し繕う。「中国・合衆国への販路拡大を視野に入れると、空調服は大幅な増産が必要となる。この工場を福島に設置すれば、福島の復興にも役立つ。放射能が身近な問題であるところで作られ、使用されているという実績があれば、本当に効果があるのだろう、と原発の風評がむしろプラスに働くことも期待できる。」更に嫌な言い方になってしまった。

 とりあえず通勤電車の中はものすごく暑くなりそうだから、それだけでも買う価値はあると、自分では判断した。

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