私立大学附属中高一貫校宣伝文

 今日のお題は、とある大学付属中学校入学パンフレットに特進クラスの先輩として一言アドバイスを、というもの。

 学校の先生というものは、とくにこういう学校の先生というものはおしなべてアホである。
 本当はこういう条件がいる。
「特進志望の人だけが見るのか/普通の人も見るのか」
特進のひとだけなら
「成績のいい人ならナイショのごほうびもありますよ」
なんて書けますが(特待生制度があるから嘘ではない)、一般生も読むものなら無理。

 アドバイスと言っているが、実際に欲しいのは宣伝文句だろう。
 アドバイスとすると
「入試問題には詩が出ます。これは塾で習うような、指示語の指す文字を抜き出して体言止めし、といったテクニックが使えません。しかし素直な気持ちで読むと心に響いてくるような詩が問題文に選ばれますから、おちついてやれば決して難しくありません。」
という感じで仕上がります。

 これが宣伝文句だと、もはや自分に責任はない。
「学力はプラス1.5年!思い出は2倍!!
中高一貫なので高校入試に余分な力を割くことなく一流大学目指して中一から邁進できます。さらに高2で6年分終わりますので、高校入試の受験勉強と合わせて、プラス1年半分の学力がつきます。また単なる進学校と違って一般コースのみんなと一緒の文化祭、運動会。2つの学校に通っているみたいにたくさんの思い出。」

 字数オーバーですが、まちがいなく全文採用してくれるでしょう。  それにしてもすぐにこの程度のことを思いつく私は広告業界に就職した方が良かったんじゃないかしらん。(プログラム言語書くよりは、こっちの方が得意。)

 あたしの作ったキャッチコピー、この程度のものでさえそれなりに新規な着眼点があったりする。
 学力が+1年は進学校なら当然だけど、
「高校入試無視しているからさらに+半年」
はなかったはず。(そりゃ中学の学習過程を軽視しているようで、書きにくいわな。)
 「思い出2倍」もまず書けまい。特進を分けた学校はいろいろあるけど、どうしたって
「特進と進学に分けているが、生徒の性質は同じ」
という現実というかタテマエは崩せない。
 ただし開き直れば「大東亜帝国」とひとくくりにされる大学の社会的(低)評価が生きてくる。つまり
「特進は別かもしれないが、しょせんは大東亜帝国だろ、頭が残念な人の集まりなんじゃないかな?」
のイメージが容易に付与できる。「その分、運動会や文化祭ははしゃぎまくるだろうね。」
 なので勉強は特進レベルで、行事はアレレベルで、という学校の二重性をセールスポイントにしようかという気になったわけだ。
 なんとなく100%進学校は文化祭が面白くなさそうに思えるという先入観も利用している。しかし私が見る限り、実際は進学校の方が面白い。本気でやればできる能力の持ち主が集まっているものだからね。

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