発明が発明に見えるポイント

 特に不満を持っていなかったのだが、手近にあったアロンアルファのパッケージを靴べら代わりしてから「これしかない!」と思うようになった。
 携帯用の靴べらを引っこ抜くときは摩擦でしか力をかけることができず。しかも指先の握力だけ。つるつるして指に引っ掛からず、汗ばんでいるときはなかなかすんなりとはいかない。これに対してアロンアルファの本体を納めているかまぼこ型の部分に人差し指を突っ込むと力をかけやすく、実に靴べらを抜きやすい。

 指を突っ込むためには靴べらに穴が開いていればいいのだが、市販品の穴は多分紐を通すために開いているわけでとても小さい。人差し指が突っ込めるほどの大きさが必要なのだ。ところがどう探してもそんな大きさの穴が開いた靴べらは売っていない。
 仕方がないので作ってみた。市販品にドリルで穴をあけ、リーマーで拡張し、ヤスリで整える。
 穴が大きくなった分、多少耐久性が不安だがなかなか快適である。ただしこれでは発明工夫展に出品したとしても「なあにこれ。穴が大きくなっただけじゃない。」
 まちがいなく、今までにないものを作り上げたことになるので、自称「発明」と主張することはできるが、特許といった公的なお墨付きがもらえることにはなりそうもない。

 そこで特許の対象として考えられるかどうかの差はどこだろうと考えてみた。「今までにない目的のために穴を大きくしたのだ/ただの穴ではない」ということを納得させる何かがあればよい。
 そこで穴の引き抜く側に厚みを持たせて指の力がかかりやすなるよう形状を変えることを考えた。これならば「穴ではなくて指をかけるところである」というのが(説明すれば)一目瞭然である。

 ためしにダブルクリップ(豆)を穴にくっつけてみた。ひじょーに具合がよろしい。
 これで「穴の大きな(新奇性のない)」靴べらは、「指を差し入れて抜きやすくデザインされた(新奇性のある)」靴べらに変身した。

 特許はダメでも実用新案くらいならいける!と思ったが、今、実用新案は申請しても仕方がないものなのね。形状の工夫だから意匠登録しようかしら。
 めんどくさいので子供に発明工夫展の宿題が出たら提供しよう。

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