これは必要な人間観察

 「校外学習」と称して生徒を「ディズニーランド」につれてゆく学校がある。
 堂々と「遠足」なり「レクリエーション」と言えよ/遠足にしてももっともらしいところを選べよ、と思うし、実際安易なレクリエーションなのだが、
ただ作画部だけは燃えている
そうな。

 祈りの井戸の回りに目立たないよう待機して、男女二人組を狙う。
 告白するときの顔、OKするときの顔、それを聞いて喜ぶ顔。
 生で見られることなど滅多にない。がここならそこそこの確率で生の感情の表出を観察することができるのだ。
 もちろん、断る時の顔、落胆する顔、そのあと二人はどちらに向かうか〜やはり別々になるらしい〜の資料の方がはるかにたくさん入手できるのだが。
(あそこは超定番の告白スポットです。)

 恋愛系は青春漫画の王道、というかその要素がないものの方が少ないが、現実に即した告白時の資料を入手できる機会はめったにない。なので既存の作品に自分の想像力を混ぜて作ったりするものだが、どうしてもリアリティが薄いことは否めない。そのせいか最近は告白シーンを描くことすらめんどくさくなったようで「おさななじみ」「妹」といった出会いからして努力を要さない関係が増えてきている。(出会いの機会を作る勇気のない読者層の感情移入を狙っているのかもしれないが、努力もせずにかわいい子とお知り合いになっていつの間にか付き合ってたりすると普通は応援したくなくなるだろう。伏見つかさの作品のように無茶苦茶がんばって、おもわず応援したくなるものも書けるだろうに。)
 そういう時代だからこそ、玉砕覚悟の表情とホントに玉砕した後の背中を生で見られる機会は貴重なのだ。もちろん作品のためには成功の実例は必須なので、作画部の皆さん、心の中では応援していることが多いらしい。

 誰もが多少の経験は持ってたりするものだけど、自分の場合は恥ずかしくて相手の顔を直視できなかったりするものだからね。

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