マスクの口元空間を確保するために、ギターの弦を使ってドーム型テントのような構造で支えたことを以前ネタにしたが、同じ目的のためにJECOLという会社がプラスチックでマスクを支える「マスクスペーサー」という製品を発売した事を知った。広告ネタ、目次へ
文房具会社であるにもかかわらず、専門外のものを商品化する会社の柔軟な意識に感心したので買った。
現物が届いたが「あーこれで作れるの」というのが正直な感想。マスクを支える材質をどうするか、考えに考えた経験を持つ身であるが、プラスチックを直接肌に触れさせる、という発想はなかった。フェルト貼ると暑いし、洗えないし。(JECOLは発泡材を貼るようになっている。多分冷感素材ではない。)もうひとつ、マスクスペーサーの材質ってPP樹脂(だよねこれ)って結構丈夫なのだなあ、これなら「クリアファイルを切れば手作りできるわ」。
ただしさすがは文具メーカー、例えば「できるだけ軽いブックエンドを作るために丈夫さを損なわないように中抜きする最適のパターン」といったノウハウはたまっているのだろう。そこは間違いなく感心。ツッコミどころはある。息が楽なのはいいが楽なはずで「マスクと顔に隙間ができる」という要因も大きい。マスクを面で持ち上げているので、鼻の上の隙間ができるのはしかたないとして(工夫はしている)、そもそもどの程度の大きさのマスクに合わせたのか不明。なのでどこかカバー範囲からはみ出たところが出てくるのよ。あるいは取り付けられないか。なんか上下のひもの間隔が短いのよね。かといって小池さん形ゆったりタイプに取り付けるには幅が狭そうだし。見回しているうちに分かってきた。
「アベノマスクにジャストフィット!」
日本で誰もが持っているマスクであることは間違いないから、それに合わせて作るという発想はきわめて正しいと言えよう。(ウソです。実際にはアベノマスクはさらに小さい。)あ、そうだ。なんとなく悪意があるように思われる方、誤解です。JECOL社にはAmazonで注文した後きっちりとメールした。「私も似たようなものを作ろうと悪戦苦闘していました。こういう製品ができたのをうれしく思います。御社の専門外である分野の製品を作り、発売するという柔軟さに敬意を表します」それくらいはファンになっている。単純に返事がないので、気にしなくていいのかと自分のサイトのネタとして取り上げたくなっただけだ。
やっぱりマスクと一体型で設計しないとだめよね。というわけでマスクの製作続行。ミシンの使い方や型紙のとり方も知らないので娘にバカにされているが、そこは根性でカバーする。(十代前半は海外に住んでいたのでその辺の教育受けてないのだ。)父の日にマスク縫ってくれると言ってたから期待していたのだが、アテにするほうが間違っているのだろうか。静電気を思い切り起こしそうなペア、ウールとポリエステルの布地は用意しているのに。しかも無印良品とユニクロといういかにも情報感度の高い消費者を思わせる取り合わせだ。
フィルタはいらなさそうです。ドライアイスの霧が通過するかの実験やったのですよ。もちろん不織布フィルタは通さない。アメリカの大学での研究通りポリエステルぞうきんも通さない。そこで「ひょっとして」と布地二枚重ねをやってみたら「通しません」。
ドライアイスの霧は低音なので布地に触れた粒がそのまま凍り付いて、次第次第に布目を狭めていき、通さなくなる、ということが万が一にもあるかもしれませんが、いずれにせよ通しません。顕微鏡で見ればはっきりするだろうけど、これを夏休みの自由研究でやるとなると、すぐ暑さで溶けるのは確実。したがって結論「布目は詰まってない」。
(そもそもマスクの面積の半分くらいのペーパータオルを挟んで「フィルタ」と主張する人もいるのだから、もうこの辺のこと気にしなくなってきた。でもアクリルと毛糸の縮緬はほしいなあ。呼気が与える振動で発電するというのは考えようによっては大発明なのよ。)