そんなにうまくはいくものか

 星新一が一度エッセイでバラしたが「そんなにうまくはいくものか」という結果にするとオチがつく。まあ、星新一に限らずその手の話は多い。読者を現実に引き戻して溜飲を下げさせる効果があるのかもしれない。
 だからといって、うまく行きそうなこと、都合の良いことがあると「そんなにうまくはゆくものか。なんかあるんじゃないか」と身構えてしまって好機を避ける傾向というのはよろしくない。私もビートルズの高音質レコードが投げ売りされているのを見て、ついスルーしてしまったことがある。(可愛い子からアプローチ受けて、、、。)

 日本全体がそういう気分になったことが一度ある。偽造パスポートでディズニーランドを訪れた朝鮮人を拘束してみれば、最高権力者の息子だった、というの。千載一遇の大チャンスだったのに、そのまま帰してしまった。めぐみさんのご両親も「引き換えで」とはその時は言わなかったと記憶している。
 この辺の心理学は日本が発達してるんじゃないかな。民族的特性のような気さえする。
 多分、相手の弱みにつけこまない武士道精神と共通点があるんじゃないかなあ。そのせいで、好機をさんざん逃しているに違いないのだが。

 これに対して合衆国人はそうでもないみたいね。結構「それいいじゃん」でやっちゃうようにみえる。
 映画見てるとやたら楽観的でそのまま行っちゃうじゃん。おさるのジョージもそうだし。
 そんなわけで新規ビジネスがどんどん立ち上がるんじゃなかろうか。インターネットでなにか商売をしよう!だけ決めて、西へ向かう路上で「本の通販をしよう」とおもいついてやってしまうというわけのわからない行動力。当然、一人ではできないから相当数の協力者がいたはずだ。AWSはそういう人が作った技術。

 似たようなものとして、あきれてしまって主張を引っ込めるというのもあった。
 先方は「自分の交渉力」と思っているから手に負えない。
 住宅ローンの借り換えをしようとして、ちゃんと書類も作ったのに、銀行は「今期の目標到達のため」に勝手に一ヶ月早めて貸し出した。つまり一月分の利息を二重払いさせたのだ。文句を言うと先方の課長さん「いえ、大丈夫なんです。」呆れてそれ以上言えなくなった。当然文句を言って、せめて支店長にお見舞いを持ってこさせるところなのだが。

 いうまでもなくみずほ銀行です。

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