Windowsを無くせた方法

 Netscapeがブラウザをオープンソースにするという発表をしたとき、世界中のハッカーが熱狂し、やがて失望しました。
 残念ながら、私はあんなたいへんなコードは読めませんでしたので「ソースコードを解析してやろう」などとは思いませんでしたが、別の理由で興奮していました。「すごい!マイクロソフトをはめた。なんて頭いいんだ!」 マイクロソフトがブラウザという商品を無くしたように、ネットスケープはOSという商品を成り立たなくしようとしているのでは、と思ったわけです。

 つまり、こういうことです。

  1. マイクロソフトは、ネットスケープの技術を得ようとしてソースを落とす。(そして、ほぼ全社員がダウンロードしたらしい)
  2. ところが、そのソースを元に開発した製品は、ソースを公開し、無料で配布するようにライセンス契約で定めている。
  3. するとマイクロソフトは自社ブラウザ(インターネットエクスプローラー)を無料配布、ソース公開、しなければならない。(まあ、ここまではMSもかまわないと思っているでしょう。)
  4. Windowsとブラウザは統合された製品なので、Windows自身も無料配布、ソース公開の対象となる。(ライセンス条項では、ブラウザと統合された製品も適用対象になっている。)
 さらに消費者運動を盛り上げて、並行的に「なんでも一体化」キャンペーンを行う。インターネットエクスプローラがWindowsの一部であるという根拠は、「DLLが一体化されている」「ユーザーが望んでいる」であったはずである。ということは、MS-OFFICEもユーザーが望めばWindowsと一体化されるはずである、というふうに。少なくともMS-AccessはWindowsにバンドルされなきゃならないはずだけどなあ。だってWindows3.1にはカードファイルというデータベースソフトがアクセサリとして入っていたから、Windows95,NT4にも何かついていないとおかしいでしょ。

 というわけで、気が付くとMicrosoft製品みんなオープンソースで無料という消費者にとってとてもよい時代が来たはずなのだ。Microsoftはハードメーカーになればいいんだよ。マウスとかキーボードとかには、文句無しのファンが多いじゃないか。(そういえば、Appleにソフト専業になればいいと論評した人たちがいたなあ。)
 そんなわけで、ネットスケープはすごいなあ、と感心していたんだが、私の先読みしすぎだったみたいね。こうなれば、Microsoftは今までDLLを勝手に書き換えてきたというツケを払えず、開発コストを回収できなくなって自然消滅。パッケージソフトメーカーはしばらく辛いだろうが、そこを乗り切れば新しいソフトの需要が生まれはじめる。

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