Microsoft Linux

 GNUの総帥ストールマンがLinuxをGNU/Linuxと呼ぶように、とことあるごとにアピールしているようです。「Hurdはどうした」とか「GNUの(素人臭い)ライセンス条項を使ったらみんなGNUをつけること、というのはMS並の自己顕示欲では」などといろいろ突っ込みたいことはあるのですが、まあ正面切ってうんぬん、というのはよしておきましょう。
 たしかに、GNUの成果がLinuxの成立に不可欠だったというのは確からしく、gccがなければコンパイルもできなかったそうなといううわさも聞いたことがある。
 まあそれだからGNU/Linuxと呼べというならば、Mk-LinuxはApple-Linuxと呼ばないと整合性が取れない。あれは、Apple社内のプロジェクトとして、Appleの予算と人員とツールを使って作られたわけだから。ストールマンはそれを認めるのであろうか。認めざるを得ないなあ。
 とすれば、例えばSunがSparkへの移植を支援して作ったLinux、HPがPA-RISCへの移植を支援して作ったLinuxがあるとすれば、それぞれ、SUN-Linux、HP-Linuxと呼ばれるはずである(しかし、PA-RISC間でバイナリ互換性が無いというあの仕様はなんとかならんか?)。Corel-Linuxもあるそうだし。で、それはLinuxのディストリビューションではなく、OSの名称になってしまうのである。(ディストリビューションとして、Debian GNU/Linuxの呼称を付けるのは当然ディストリビューターの自由。)

 ひょっとして、PCで動く分はGNU/Linuxだという苦し紛れの論が出てくるかも知れない。となれば、「AT/Linuxと読んでは駄目なの?」とか「x86/Linuxの方がわかりやすいじゃない」という議論も出て来るであろう。
 どさくさ紛れに、XENIXで立ち上げたPCでビルドを行い「Microsoft/Linux」という呼称を使うようにと言いながら、WindowsにバンドルされたLinuxが出てくるかも知れない。そうなると、シェアは一瞬で決まってしまうだろうなあ。

 KDEをTrol-Tech KDEないし、Qt/KDEと呼んでくれと言われれば、素直に従いたい。オープンであるべきだというハッカーの声に答えて、Trol-Techは自社製品Qtをフリーにしてくれたのだ。その義務はないのに。だから感謝の意味を込めて、私はそう呼んであげたい。

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