達成!!湯川専務の悲願

 週刊アスキー11/28日号のニュース欄によると、SCEは《PS2はパソコン》と主張しているようだ。《英国の関税当局がPS2をゲーム機に分類》したので2.2%の関税がかかるのを嫌がってのことらしい。ここで関税をパソコン並の0%にしてもらおうと、SCEは「PS2はコンピューターに分類されるべきである」と不服申し立てを行ったそうな。

 おーい、SCEよ。自分がどんなことを言っているのか分かっているのか?まさか英国ではコンピューター、そのほかの国ではゲーム機、という理屈が通るとはおもってないでしょうねえ。つまり、SCEはプレイステーション2はコンピュータであるという公式見解をついに、ついに、ついに発表したということだ。
 これにより大きく影響を受けるのは、まず統計の分野である。11月にもなってそんなことを言うなよと多くの機関は思っているだろう。これにより、ゲーム機の出荷台数はセガがSCEを超える可能性が出てきた。
 やったね!湯川専務。おめでとう。ついにドリームキャストがプレイステーションを抜く日がやってきた。(え、オリジナルPSとPS1だけでドリームキャストを超えている?でも全世界出荷数ならなんとかなるでしょう。)
 丁度、NECが「新世界標準」と98NXを発売したとき、富士通に「世界標準機シェアNo1」と切り返されたように、SCEは「世界No1ゲーム機は、ドリームキャストです」と宣伝されたとしても、文句を付けることは出来ない。

 プレイステーションがパソコンとして分類されるなら、パソコンOSのシェアも大変動だぞ。インストールベースではともかく、出荷本数ならPlayStation-OS(仮称)がWindows for MS-DOS(この表現、WindowsNT3.51のマニュアルにあります)を超えることになるのではなかろうか。少なくともWindowsMEをインストールベースで超えているぞ。(統計情報がWebで見つからないので裏がとれないのが辛い)
 そして、この巨大シェアを持つOSの開発環境はLinux。これをサーバーOSとして統計に算入しても、そんなに不自然ではなかろう。

 さて、このPS2、ハードディスクを搭載するスペースを確保しており、ゲーム機以外にも出来ることが沢山あるからコンピューターだ、とSCEは主張しているそうだが、さてどうやればパソコンとして使えるのだろうか?ハードディスクを積んだ場合の動作保証はしてくれるのかなあ。上の主張を通すためには必ず動作しなきゃ筋が通らないよねえ。少なくともハードディスク取り付けのための情報開示は必要だよ。するとPS2へのハードディスク取り付けを業務とするところも出てくるだろうし、ハードディスク搭載版PS2も発売されるかも。
 ひょっとしてイギリスでは最初からハードディスクを積んで発売するつもりだったのだろうか。だとするとイギリスではPS2の価格が合衆国に比べて割高に設定されている理由もうなずけるものがある。(たしかイギリスで高いのは何故だ、と問題になったよねえ。)
 ここまで考えると、PS2のCPUにLinuxが既に移植されているということが効いてくる。

 私がジャストシステムの人間だったら「一太郎をPS2に移植しましょう」と言うだろう。社長には通じないかな?あの人パソコン以外に関心がないかもしれない。一太郎5発売の時「世界で成功しているウィンドウシステムは2つしかない。マイクロソフトウィンドウズとジャストウィンドウである」と仰ったパソコン以外を重視しない意識はそう簡単に改善しないだろう。当時はUNIX標準X-Windowを知らなかったということだからね。
 もちろん開発/発売が許可されれば一太郎のおまけとしてかな漢字変換ソフトとWebブラウザ、メールソフトを添付する。さすがにこの分野ではマイクロソフト日本法人は追ってこれまい。
 まあ、最初に発売されるPS2用パソコンソフトはDVDの地域コードを無視させる奴だったりして、PS2のハードは地域コードにとらわれないはずだから。

 しかし、わずが2.2%、1000円の関税を節約するためにどうしてPS2はコンピュータ(実質的にはパソコン)であるとまで表明しなければならないのだろう。影響は上に書いたように大きいというのに。たとえ1000円でも安くなれば消費者のためになるから?そうかなあ。だったらなんでPS2合衆国版(349$)に合わせて国内販売価格を下げないの?合衆国でダンピングの提訴を受けても知らないよ。まあ、このくらいの差であれば、と思わなくもないけど、イギリスで1000円にそこまでこだわるのであれば、日本の消費者だって不公平感を露わにしたっていいんじゃないかなあ。


2000.11.25補足
 なんと、SCEはゲーム機に関税をかける地域(具体的にはEC)に輸出する場合にのみPS2に(オープンソースの)BASICをバンドルするらしい。BASICが使えるからコンピュータなのだそうだ。姑息な手段だなあ・・・たしかにMSXはゲーム機でなくコンピューターで、PS2との差はBASICが使えるかどうかではあったろうからそれなりに筋はとおっているが。YA-BASICを拡張してPS2のグラフィックエンジンを使えます、くらいのことはやってくれなくては。
 それともうひとつ。バンドルをEC限定にしてしまえば、いくらなんでも関税逃れが見え見えでしょう。日本や合衆国で販売する際にもBASICのゲームカセットを付録につけてくれなくては筋ってものが通りません。まあ、SCEがその辺に無頓着だということは、初期型PS2にDVDリージョンコードを無視する機能をつけていたわけだから、いまさら驚くには値しないけど。
(私はPS2のアーキテクトには尊敬と親近感を感じているのだ。彼らが本社の意向を無視してアペルトスじゃなかったアペリオスを採用しなかった決断を評価する。マルチメディアに必要なのはOSの軽さや柔軟性ではない。浮動小数点演算を以下に速くこなせるかだ、アペリオスのアーキテクトはその辺が分かっていない。というメッセージが強く聞こえてきたからだ。でもこのメッセージが聞こえたのは僕だけかもしれないなあ。
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