聞く耳持とう

 ある善意にあふれた人がいたとする。
 その人がとある会社のホームページを見ていて、その記述に明らかな間違いを見つけた。
 表現が不適切というレベルではない。一覧表に漏れがある。

 指摘しようとしたがwebmasterの連絡先が分からない。mailtoを検索したがない。
 困ってしまった。
 とりあえずリンク先のグループ企業に飛んでみたところ、mailtoがあったので「御社の関連企業のページで云々」と丁寧なメールを書いた。

 この人が善意の固まりであることは多分間違いない。少しでも悪意が入ると次のような余計なことを考えるものだ。
 グループ企業といっても仲がいいとは限らない。むしろ主導権争いをしているかもしれない。特にInternetを利用した・・・となるとグループのあちこちが新規事業として力を入れている可能性が高い。そこであるグループ企業に別企業のホームページの問題点を教えてしまうとどうなるか?
 「そっちはホームページのスタティックな情報すら管理できていないじゃないか、そんなところにグループのインターネット戦略に関与させるわけにはいかない」とグループの寄り合いで言い放たれる可能性が高い。それで運命が決まってしまう人もあろうし、その企業は新規事業から外されることもあり得る。

 かくして私は悪意がないことを証明するために、まだ何もしていない。でもなあ、気になるなあ。
 しかあし、何が悪いかというと間違えたのが悪いのであり、聞く耳もたん!と言わんばかりにWebページ視聴者からのフィードバックを遮断している(メールアドレスへのリンクを張っていない)のが悪いのだ。だからこの程度のことは覚悟しておくべきだ。
 むしろmailtoのリンクも張らない企業がインターネット戦略に関与することが、長い目で見てよほど問題がある、という考え方もある。

 どういうつもりで、この会社がmailtoのリンクを張っていないのかは分からないが(多分ホームページ担当部署とお客様窓口が別のラインなので、どっちが対応するかでもめたまま結論が出ないとか、そういう理由だろう)メールアドレスを公開しないということには、こういうリスクもあるということを忘れずにおくべきであろう。

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