DOS/Vという呼称

 私はDOS/Vという呼称が未だに使われていることに関して違和感を感じている。
 雑誌のタイトルにDOS/Vとあると変だなと思う。パラパラとめくってもUMBの効果的な利用法といった記事があるわけではない。第一、今さらDOS/Vなんて使っている人は稀なのでは無かろうか。
 更にDOS/V機という言い方が嫌いだ。DOS/VはAT互換機上で日本語が走るように作られたOSでありはするが、あくまでOSの名前であって、DOS/V機という言い方は厳密に言うと間違いである。

 などとブーブー言っていたが、ついに「DOS/V」という言い回しを未だにしなければならないものを見つけてしまった。フロッピーディスクである。
 フォーマット済みフロッピーディスクが売られている際に「Macintoshフォーマット」「98フォーマット」「DOS/Vフォーマット」と並んでいることについて、どうしても文句の付けようがないことに気がついた。Windowsフォーマットというわけにはいかない。PC-9800シリーズ上では1セクタ=1024バイトでも動くからだ。PC/ATフォーマットと呼んでもいけない。PC/AT上で稼働するフロッピーディスクを使えるOSはBe,Linux,FreeBSD,超漢字などいろいろあるからだ。
 DOS/Vの名はまだ生きていた。

 DOS/Vというと雑誌PCWAVEの印象が強い。DOS/Vと共に生まれ、DOS/Vと共に廃刊となったというイメージである。特に感銘を受けた記事は「DOS/Vの謎。または、ある10年史」、DOS/Vを思い至った経緯から、構造、世に出るまでの経緯を関係者の裏話を含めて綴ったものである。
 この中で、開発者が周囲の人々にいかに感謝しているかを伺わせるインタビューがある。
竹村(IBM)「でも、それだけじゃすまないのが、DOS/Vのすごいところでね、俺が生みの親だと思っている人がほかにもたくさんいる。」「日経mixなんかで最初に騒いだ人たちは、絶対にそう思っている。(中略)雑誌の人だって、来島さんとか・・・。中川さんだって思っているんじゃないですか。」
中川(PCWAVE)「いや、まさか、そんな大それた・・・。」
竹村「でも、それでいいんですよ。みんな俺がDOS/Vを育てたと思っている。」
 これだけで、日本IBMの製品としてDOS/Vを出すのがいかに困難だったか分かる。そして、DOS/Vを世に出したのはインターネット以前のネットワークのおかげだったということも間違いない。

 アトランタオリンピック、サッカーで日本がブラジルに初めて勝ったとき、これを思い出した。ニュースのゲストに、なぜ高橋陽一(大ヒットサッカーマンガ、キャプテン翼の作者)を呼ばない!と思ったのである。同じような会話がなされてもいいんじゃないかな。
アナウンサー「高橋さんのキャプテン翼に影響されてサッカーを始めた人もこの世代には多いと思います。これがレベルの底上げをもたらして、この快挙につながったとも言えるのではないでしょうか。」
高橋「いや、まさか、そんな大それた。」
アナウンサー「でも、自分の子どもがブラジルを破ったようなうれしさはあるでしょう。」
高橋「いや、まあ、それはね。」
照れながらそう言ってくれるとぼくも嬉しい。実際、高橋氏が影の功労者だと私は思っている。

 こんなふうに若干芝居がかかったとしても、労をねぎらいあい、おだてあうことは大切なのではないだろうか。
 ライン&スタッフの組織であれば、そんなことは必要ないかもしれない。できて当然、むしろもっと厳しくビシビシと、という考えが主流である。しかしながらネットワークによる横のつながりが出てくれば、他人のアイディアや労力を提供してもらうためには、礼を言い合い、おだて合うということが組織文化としても必要であろう。なぜか私は他人にアイディアを伝えると怒鳴られることが多いのだが。例えばNTサーバーをどれくらいの周期でリブートするか?と悩んでいる人に、Windowsは49.7日でシステム起動時からの経過時間が0になり2000年問題類似の事象となるから、まあ運用を考えて1ヶ月に一度が適当なんじゃなあい?と言うと・・・。


関係ないけど近況:
うちの娘(まもなく2才5ヶ月)の行動。
私が寝間着に使っているブカブカのTシャツに頭を突っ込んで「いないいない」。
続いて「今度はパパいないいないやって」というので、当方もシャツを頭から被って「いないいない」。はっ!まさか!と思ってシャツをとると子どもが目の前にいない。やはり、と台所方面を見るとお母さんの方へ走っている。
母親は現在お菓子作り中。近づこうとすると私が邪魔をするので、ならば私を足止めしようと計略を練ったに違いない。(^^;
しかい、このくらいの子どもでも、その程度の計略は思いつくものなのでしょうか。
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