そろそろ情報処理技術者試験である。コンピュータネタ、目次へ
保有している資格が制度改革によって、全部無くなってしまう(名前が変わる)私としては、そろそろ新しいのとりたいなあ・・・などと思ってはおりません。資格なんぞ持っていてもろくなことはありません。でもまあ、この時期になると思い出すことが1つ。
平成11年春のデータベーススペシャリストの問題
ある銀行の支店に自動支払機が1台設置してある。この支店は、自動支払機の利用率の増加にともない、もう1台自動支払機を増設することにした。自動支払機の平均サービス時間をTs、増設前の自動支払機の利用率ρとするとき、自動支払機の増設後の平均待ち時間として、正しいものはどれか。ここで待ち時間はM/M/1モデルに従い、平均待ち時間にはサービス時間を含まないものとする。また、自動支払機の増設後は、2台の自動支払機が均等に利用されるものとする。正解はρ/(2-ρ)×Tsだそうだ。
なお、自動支払機増設前の平均待ち時間は公式通りρ/(1-ρ)×Tsである。さて、ここで増設前後の待ち時間比率を求めると、
(2-ρ):(1-ρ)
となる。つまり、例えば平均利用率が0.5とすると待ち時間比率は
3:1
となる。機械を倍に増やすと、待ち時間は半分以下になるということだ。
逆に、機械を半分に減らすと待ち時間は倍以上になるということである。これが利用率0.8だったりすると待ち時間は6倍になってしまう。!?気になるのは、サーバーを例えば2台使ったハード構成で、片系障害時には残る一台で縮退運転をするというプランを立てていた場合である。直感的に「処理時間は倍かかるけどなんとかなるだろう」と思っているかもしれないが、上の計算に従えば、実際には倍以上かかってしまうことになる。
処理時間がかかるだけならまだ何とかなるだろう。実際に障害になってから予想以上に時間のかかることにあわてふためき、原因が分からずあちこち問い合わせて(ただでさえハード障害で忙しいのに)、とち狂ってどっかのプロセスをkillしてしまい、別のトラブルを引き起こす、などということになると目も当てられない。これに気がついたということが、実際に情報処理試験に受かるよりも、ずっと大事だと思うのですが・・・、でもやっぱり試験受けないと駄目だろうなあ。縁は切れていた筈なんだがなあ。。。