最近のコンピュータ界で提唱される新技術には、一昔前の常識では考えられないものが多い。こんなものが出てくるということは人間が歴史をいかに軽視しているかの証明である。コンピュータネタ、目次へまず「パラレル転送よりシリアルのほうが早い」というFireWire!(IEEE1394の方が通りが言いのだろうが、Steve Jobs御大の"Fire Wire"の発音の印象が強いのだな。)クロックが早くなれば、同期が大変になる、分からなくもないが・・・そんな高クロックの電気製品って実装できるのか!?そのうち、パソコンの出す基本波が携帯電話と干渉するのでは。どんなに技術が進んでも、物理現象はどうしようもないぞ。そんな極超短波を扱う回路を引き回すなんて。
SAN(Strage Area Network)を独立させないというアイディアもびっくり。データアクセスのためのLANと通常の通信のLANを同居させたほうが分離させるよりも早い???LANはLongAndNarrowRoadの略で、最小限のデータ以外は都度送ることはせず、あらかじめおのおののパソコンに持たせないととても遅くて使い物にならない、というLAN黎明期を知っている私には想像もできない。そろそろ私も引退か?
しかしこれらはまだ理解できる。シリアルのほうが回路を単純化できるのは確かだし、その分速度アップが容易であるのは確か。初期のLAN、例えばNetWareは高価であったハードディスクを共有するために作られたものであって、そう言う点ではLANとはデータアクセスのためにあったわけだからSANも先祖帰りと言えなくもない。しかしこれは分からない。iSCSI。IPをストレージ接続のプロトコルにするだって?TCP/IPを使いtelnetでパソコン通信に接続し、そのオーバーヘッドの大きさにいらいらした経験を持つ人なら狂気の沙汰と思うだろう。そう、私も思った。丁度EPSONがイメージキャラクターに内田有紀を起用し「インターネット内蔵」という訳の分からないパソコンを売っていたころだ。(五年くらい前ちゃうか)
私は素直に、内部のバスをIPにしたのか?と揚げ足を取った。ああ、しかしどこかにそのことを書いておくべきだった。ならば「私の予言があたった」と威張ることも出来ただろう。
そんなわけで、本当に予言していたことを証明するために、そのとき同時に考えたことを書いておく。ひょっとして、これも当たるかもしれない。
iSCSIが目指すように、IPで内部ハードディスクを接続しているとする。すると、ハードディスクが内部にあるか外部にあるか、論理的にはあまり変わらなくなるのだ。つまりLAN経由でハードディスクにアクセスするとしてもIPでつながれている以上、内部ハードディスクと同じことなのである。つまり「ネットワークコンピュータと普通のPCの設計が共通化できる」ということである。ネットワークコンピュータ、別名500ドルパソコンは、普通のPCが500ドルになってしまっためにアイディアとしてつぶれてしまったが、当時は結構流行った考えだったのだ。で、ネットワークコンピュータをオラクル以前に提唱した私としては、それに肩入れしたのも事実。でもネットワークにつながれていないと使えないという不便さは耐えがたい。で、考えた。一台でネットワークコンピュータとしても使え、スタンドアロンのパソコンとしても使える方法はないか?で思いついたのが内部バスを(少なくともストレージバスを)LANと同じプロトコルでつなげるようにすれば良いということだ。
しかし、TCP/IPは重いからなあ、無理だろうなあ。と思っていた次第。それにしても本当に規格化する連中がいるとは、、、データベース専業最大手、ネットワークコンピュータの旗手、オラクルはどう動くだろうか?忘れているかなネットワークコンピュータなんて。