ようやくLinux上で動くOffice製品が揃い、MS-Windowsに逆上陸を果たし始めたためであろうか、MS-OFFICE互換ソフトの特集が雑誌を賑わすようになってきた。でも必ずMS-OFFICEとのファイル互換性を話題とするのはちと閉口。確かに興味あるトピックではあるが、結論の分かりきったものを読まされるのもどうかと思う。MS-OFFICEはMS-OFFICE同士ですらバージョンが違うと互換ではないのだから、まして他社製品で完全な互換性がとれるわけはなかろう。コンピュータネタ、目次へ
(MS-Excel4.0のマクロだけで、海外情報系システムを作ってしまった住友海上、GOODNESSはどうなったのだろうか。)
もしこの記事が、MS-Office95とMS-OfficeXPのファイル互換性を比較し、Lotus Super OfficeはMS-OFFICE同士のファイル互換性を上回っているといったような内容であるとすれば、意義深いと思うのだが。MS-OFFICEを同士より互換性が高いとなると、アップグレードが必要となった際に乗り換えを選択するのは悪くない判断といえる。でも、実際問題として完全な互換性を必要とするのであれば、高くともMS-OFFICEを買うしかない。これは当然のことだ。でも買うとしても少しでも安くしたいという欲求も一部にはある。では、どうすればよいか。
自分の会社をAT&Tに買収してもらえば、1本50$で買えるぞ!というのは本末転倒なので、別の方法を考えた。アカデミックパックを買ってくればよい。普通の人が買って使うとライセンス違反の疑いを否定できないので、まず学生として認定してもらわねばならない。ではどうすればよいか。企業にMS-OFFICEを大量導入するとしよう。最近は、企業の人事教育部門を別会社にする事が流行っているそうなので、別会社を学校法人にしてしまって社員全員そこの学生ということにすれば問題はなさそうだ。しかし企業の人事教育部門を学校法人であると役所が簡単に認めるとは思えない。ならば既得権の利用。少子化で開店休業中の専門学校・各種学校を買収して利用すればよい。
宗教法人や特殊法人を買収して節税に使うという手口は広く流布しているのだから、学校法人を利用したところでさほど驚くには当たらないだろう。(とはいうものの専門学校は不況で逆に賑わっているという話も聞いた。高卒のままでは就職が難しいので、専門学校で手に職をつけようという発想らしい。調理師学校なんかの人気が高いそうだ。その代わり、そういうコンセプトがない学校は悲惨なようだが。)しかし、考えてみたらこの手法は人事教育部門を別会社にできるような大企業でないと使えない。それほどのところであれば既にMS-OFFICEくらい導入しているだろう。であればあまりメリットはなさそうだ。じゃあ逆を考えよう。経営の苦しい専門学校が、それほどの規模でもない企業に話を持ちかけて「年5000円くらいで、御社の従業員を学生に認定します」と言う。でアカデミックパックを買う権利を与える。この場合権利を売る相手は個人でもかまわない。でもこんなことしたら文部科学省の補助金は打ち切られそうだなあ。(詳しくは調べていない。)
では、折衷案。「企業内研修も請け負うコンサルティング会社」が開店休業中の学校法人を買収し、研修を請け負う対象の企業を学生に認定する。コンサルティング会社のグループ企業でMS-OFFICE販売を手がけているようなところがあったとすると、お客様にはそこからMS-OFFICEを買ってもらうこともできる。その会社がついでにソフト開発なんぞを手がけているとなおよい。MS-OFFICE販売を手がかりに社内システム構築を請け負えるかもしれない。
なんかうまくいきそうな気がしてきた。でもMicrosoftのライセンス規定に寄生しているなんていやだなあ。まあ、MS-OFFICEを呼び水に社内システム構築に食い込むとまでいくと一応ビジネスプランっぽい。
落とし穴はないか考えてみる。Microsoftがライセンス規定を一方的に書き換える可能性が、これはあるなあ。では今のライセンス規定はどうなってるの?とWebを見てみる。なぬ、Microsoftはアカデミックパックを買っていい学校法人等を一覧にしてWebで検索可能にしている。(こんなもんを作る前にやることがあるだろうに、とお約束の悪態。)
ということは、アカデミックパックの購入権獲得のためには学校法人であってもMicrosoftの認定が必要ということだろうか。となると、MS-OFFICEを安く買うという上の案、実施するとしてもMicrosoftに上納金をふんだくられそうだなあ。なるほど、だから誰もこんなことしてないのか。