以前からスケジュールソフトのいいのがないかと悩んで、その辺のことを「シンボルアナリスト用スケジュールソフト」という文章にまとめて、ToDo Chartに至って、とりあえず落ち着いている。コンピュータネタ、目次へ
ところが、管理者の立場でスケジュールを管理するなるとまた別の方法を考えなければならない。管理するのは自分のスケジュールだけではない。部下や他部署への依頼事項についてもスケジュールを管理しなければならなくなる。各人からスケジュール表を出させて、それを見てトレースするという方法でもいいが、相互の連関が分かるようでなくては、案件全体の進捗や問題点がわからない。だから以前書いた、グループウェアの提供機能を、案件ごとにまとめて検索しレポートしてくれるようなものがほしくなるわけだ。いずれはそういう方向にグループウェアが進化してることに期待しているのだが、今までの経験からいって2〜3年はかかる。でも、ものはすぐほしい。今使える技術でなんとかならんだろうか。多少のことは運用でカバーするとして。
ふと、自分でフリーソフトウェアを書き始めたときのことを思い出した。「コンピュータを使うと今まで考えられなかったことができますよ」というのを証明するために書き始めたのだ。汎用機とパソコンを組み合わせればこんな事が出来る!と騒いで、でも誰も信用してくれなくて、仕方がないので自分でプログラムを書いた。いろんな意味で大騒ぎになった。そりゃ3人月の案件を12時間でやってしまえば、、、私も若かったなあ。(しかしシステムそのものは大成功だった。)
閑話休題、シンボルアナリストであっても担当者である場合、自分でスケジュールを作るときは、スケジュールしたことを自分でやるのが基本である。まあ、別の部署に依頼を出してその結果をトレースするというのはよくやるが、原則自分が完結させる仕事である。ところが管理者となると原則他人が仕事をする。自分は報告会に呼ばれたりレビューに出席したりするが、原則他人にまかせる。で、他人にまかせてすんなりいけば良いのだが、そうはならない。(そうならないからフォローおよびチェックのために管理者が必要なのである。)
かくして管理者は個別のスケジュール立案を部下にまかせる。でもそれらがきちんと整合性がとれているか、相互に他人任せになって洩れているところはないかを確認しなければならない。また、誰かのところで問題が発生した場合、他のところに影響があるかを見て叱るべき措置(誤変換だがナイスなのでそのまま)をとらなくてはならない。なんかあったときの責任は自分が負わなければならないからね。(少なくとも管理責任はある。)となると、スケジュール管理のためには、まずはスケジュール報告のシステムが必要となる。これだけ聞くと当然グループウェアが担うべきところなのだが、グループウェアには前述したようなチェックが出来るものがない。だからということで考えてみた。簡単に言うと次のような仕組みがあればよい。
各担当者は、定型フォーマットでスケジュールを管理者に申告する。
管理者は提出されたスケジュール表をチェックし、一覧表示して各担当者間の整合性・全体との整合性・外部との整合性を確認する。
こう書いてしまうとすごく簡単である。まあいくつか工夫は加えてみた。でも、作ったのが私だから、どうしても短期的な作業のワークシートになるんだよね。(というよりテンプレートが作れるのは、見通しの良い短期的な作業だから、というところもある。)
- 定型フォーマットは、案件の種別(作業か、企画か、開発か)ごとに別々のテンプレートを作り、必要な作業項目は予め入れておく。(すると項目の考慮漏れが少なくなる。不要な項目は明示的に不要と記入する。ホントに不要かどうか、疑問に思ったら担当に聞けばよい。不要と判断した理由をきっちりと説明できるとすればそれは仕事がよく分かっている証拠。ある程度任せきっても大丈夫かも。まあ企画の部分はテンプレート化しにくいので、WBSツールと組み合わせたい。)
- 着手/完了の予実管理を行うが、予定より遅れた場合、各人の能力と権限では対処できなくなるという意味のDeadEnd日を記入する。
- 万一の場合のリカバリ手段(謝り倒してあきらめる/期末バッチプログラムだけ切り離して別途スケジューリングする/やむなく休日に出てくる、など)があればそれを記入しておく。
- 各項目が、完了したことを客観的に確認する手段を書いておいてもらう。(ユーザー部に聞いてもらえば分かります、という確認しにくいのもあるだろうけど。)
で、そういうスケジュール表は作ってもらえると仮定して、そいつらをまとめるプログラム、毎日期限をチェックして表示するプログラムを書いてみた。スケジュール表をMS-Excelシートで作ってもらえれば、MS-ExcelのVBAで書けば素直でいいんじゃないかな。
(但しものすごくいい加減。データがないと何も言わずに落ちたりする。ガントチャートにするプログラムとか、会議室予約とチェックする〜必要な資源が手配されているか確認する〜プログラムはまだよ。)
もちろん「今日がDeadEnd」などという項目があるとサイレンが鳴り響き、否応なくフォローしなければならないようになるのよ。と書いてはみたが、うーん。この管理って階層化してるのよね。中級管理者は下層管理者がとりまとめたスケジュール表をみたくなるだろうし、場合によっては担当者レベルでどういうスケジュール表が出ているかも確認したくなるかもしれない。上級管理者は中級管理者がとりまとめたスケジュール表をみたくなるだろうし。担当者だって、各項目の整合性を当然にみたくなるだろうから、作ったスケジュール表の実現性をチェックするサポートツールはほしくなるだろうし、「会議」の項目のチェック中に該当日の会議室予約画面が開いてくれたりすると面倒でなくていいだろうし(つまり会議室というモノは自分の部下だ、だから会議室のスケジュール表は会議室君が提出してくれることを期待してもいいだろう。)
うーん。構想だけは壮大になってきた。データ構造が全く浮かばないほどだ。データが入れ子になっていると・・・ある程度統一していろいろなプログラムで共用しないと利用価値が下がるし。なわけで、いきなりは無理と考えて、今度は案件の絞り込み。
うーん。コミュニケーションツールということで、コンピュータと対話しているところを想像して考えよう。
全然案件の絞り込みになっとらへん。
- 管理者「今日、何があったっけ」
- コンピュータ「今日が期限の奴はこれとこれ。担当者はあいつ。遅れているのはこれ、担当者は・・・えーとユーザーからの回答が遅れてるのが原因か。ちなみにDeadEndはあさって。」
- 管理者「じゃあ僕からもメール打っておこうか(簡単ながらフォローが出来た)。ちなみにあいついつユーザーに依頼したんだ?」
- コンピュータ「メールボックスを覗くと、、、ああ2日前だ。」
- 管理者「出してはいるんだな。じゃあメール画面開いてくれ。Toに先方のアドレス入れて、担当にccね。」
- コンピュータ「がってんだ」
- 管理者「それにしても2日前にメールねえ。期限に回答が返ってくるわけないだろ。元々のスケジュール表はどうなっていたんだ。」
- コンピュータ「あれ、先週木曜に打つってあるよ。その日の奴の勤務状況は・・・あ、午後から急な打合せが入っている。」
- 管理者「それで忘れたのか。おい、コンピュータ。今度は予定のメールを打っていなかったら、最終でアラーム入れる機能をつけておけ。」
結論:こんなツールで管理されたらたまらん。
- 管理者「えーと、この案件カットオーバーが決まったけど、どうすれば良かったっけ」
- コンピュータ「どんなやつですか?小規模開発で、決裁権限はえーと、部長だから。必要な報告書はこれとこれ。○日の会議に間に合うように出せばよいですよ。
- 管理者「じゃあ、案件分かっていて、その日までに仕上げられそうな奴は・・・、よし、こいつに指示を出す。メールソフト開けて」
- コンピュータ「了解。」
- 管理者「報告書の定型フォーマットくらい添付してくれよ。で、後は、、、移行作業は今から準備してその日に間に合うんだっけ。関連項目全部表示!」 コンピュータ「ガントチャートにするとこんなモノですかね。」
- 管理者「これも担当割りやってメール投げるか?いや、午後の進捗会議で言って、期待通りのスケジュール表が出てくるかみてみよう。えーと、期限はいつに設定すれば、出てきたスケジュール表ががたがたでも、それから作って間に合うんだっけ。
- コンピュータ「あのう、関連事項の一番上に上級管理者からトレースが表示されているので、それをみて頂ければ分かりますが、今日中にラフなモノでもいいから項目割りとスケジュール表をあげろと言われているんですが。」