登場!Mobile Celeron 3.2G

 自宅のパソコン、iPodを買って、デジカメを買い換えてからデータ量がものすごく増え、バックアップが大変になった。もはやCD-Rではいかんともしがたい。外付けのDVD-Rでも買おうかと考えていたところ、パソコン本体の調子がものすごく悪くなってきた。いつ起動しなくなっても不思議ではない。
 そこで「外付けDVD-Rを買うのなら、もう少し出してパソコン毎買い換えてしまおう」という前向きの結論に達した。ただし多額のお金は出せないから、ショップブランドのPCから探すことになる。
 雑誌の広告やWebを見て検討していたところ「汎用部品の組み合わせで作ったショップブランドではスペースファクターが良くない」という当たり前のことに気がついた。現在使用中の物はNECの省スペースデスクトップ。パソコンデスクのモニタの脇におさまる。しかしショップメイドでは、例え省スペース型だとしても奥行きがはみ出してしまう。

 困った。実に困った。間違っても本体を床に置くわけにはいかないのだ。うちの下の子が歩き回って何を悪さするか分からない。そこで、冬休みをもらったところで秋葉原に進出し、パーツショップで相談することとした。ようするに奥行きの小さいケースがほしいのだ。
 ホームページの注文受付の作りが良かったので、クレバリーというお店に行き、いろいろと尋ねる。最近はキューブ型が押してきてスリム型の省スペースケースというのは少なくなってきているのだそうだ。そこでキューブ型の奥行きが短い物を探してもらうと、Shuttleの旧製品で29センチというのが見つかった。値段も安い。型番はSS56G。
 じゃあ、これをベースにということで、部品を全部そろえて購入。一応勉強はしてきたつもりだが、CPUの種類やチップセット、インターフェースがこう多様化すると、もう自分で判断しきれないのだ。こういうときは、多少高くなっても一カ所で相談しながら買う方が良かろう。(シングルベンダー)

 なわけで、部品を抱えて帰宅し、子ども就寝後に作業開始。なお、上の子は見学していてくれたが途中で寝た。
 組み立て自体はベアボーンということもあり、2時間程度で終了。パソコンデスクの上の段、プリンタの隣にきっちりと収まる。(^^)なかなかいい感じ。

まずは、起動確認のためにknoppixのCD-ROMを入れる。
スイッチオン、、、BIOSの画面すら出ない。
スイッチオン。。。CD-ROMドライブとHDDのアクセスランプはつくんだがナア。
スイッチオン・・・BIOS画面が表示され、動いた。
 起動中のテキスト表示がついたり消えたり、せわしないが、ちゃんとX-Windowは起動。ハードディスクは認識していないが、まあ未フォーマットだし。
 そこで今度はMS-Windows2000のインストールCD-ROMから起動、またスイッチオンで動かなかったり、動いたり。が、ともかく起動したときにインストールしてしまえ。
 強引なインストール終了。

 これでマシになるかなと思ったが、相変わらずスイッチを入れても、起動したりしなかったり。でも、OSから再起動させたときは必ず立ち上がるんだよなあ。(一日目は、ここで体力の限界を感じ就寝。)

 ハードディスクにアクセスしていること、knoppixでは起動時の文字画面がついたり消えたりすることから考えて、ビデオの問題かなあと、手持ちのATIの7200ビデオカードを刺す。knoppixの起動表示はまともになったが、相変わらず起動したりしなかったり。ビデオカードのドライバを当てても、VGA互換モードのままだったので、外すことにした。
 ただし、外すと今度は全然起動しない。。。チップセット内蔵グラフィックがオフになっているのかなとジャンパピンでBIOSを初期化すると、動いた。でもやっぱりスイッチ入れても起動したりしなかったり。

 いったいどこがおかしいのだろう、やっぱBIOSかなあ、とマザーボードの型番(FS56)からBIOSアップデートを探す。するとPentium4やCeleronDの2.4GHzでは上手く起動しないというバグがあり、それを直した物が公開されている。うーん、すると当方のCeleron2.4G(Northwoodコア)に対しても問題があるのかなあ、ということでBIOSのアップデート。
 これでうまくいくか、と思ったが、相変わらず起動したりしなかったり。
 ただし、今度はBIOS画面が見えても起動しないという事象が加わった。
 戻した方がまだマシなのかなあ、と思いながら、ぼーっとBIOS画面を見ていたところ、とんでもないことを発見。CPU表示がBIOS画面の度にいろいろ変わっている。

 正常に起動したときは、Celeron2.4Gと正しい。が、さまざまなCPUの名前が出てくる、Pentium4-HT対応とか、一度はXeonとか。で、Mobile Celeron3.2Gと表示されることもあると判明。そして恐ろしいことに、M-Celeron3.2Gと認識された場合はそのままMS-Windowsが立ち上がってしまうのだ。(しかもMS-Windowsのシステムのプロパティ画面でもMobile Celeron3.2Gと表示される。)

 というわけで起動したりしなかったりする原因は、BIOSのCPU誤認識と判断した。BIOS画面すら起動できないCPUと認識したときは、立ち上がらず、そこそこ互換性のあるCPUのときはBIOS画面までは起動し、正しく認識したときはMS-Windowsまで立ち上がるのではないか、と推測できる。(しかし、MobileCeleron3.2Gで立ち上がるということは、このCPU、クロックアップ耐性めちゃくちゃ高いんちゃうか?)
 ならばCPUの自動認識を止めて、ベースクロックと倍率を指定してやればよい、はず、と思ってBIOS設定を探したが、今はもう無くなっているのね、そんな項目。ああ、20世紀は遠くなりにけり。

 というわけで、さすがにお店に持ち込んだ。こういうときよくあるのが「お店では再現しない」というやつ。それを懸念した私は、障害状況をデジカメで動画に撮り、CD-Rに焼いて持っていった。
 クレバリーのサポートセンターの人も「聞いたことがない事例だ」と言っていた。ああ、神はいるのかもしれない。私が「はりせんかまし」を書くときに一番気にしていることは「フツー人が気がつかないことを書く」である。その観点からすると、フツーにパソコンを組み立てたのではネタにならないのである。神様がネタ切れの私に同情して、こういう機会を与えてくれたのかもしれない。そういえばクレバリーサポートの人も内心喜んでいる風だった。(それは、単なる初期不良や、CPUの差し間違いといった事象を相手にするよりは何十倍も面白かろう。しかも動画のCD-ROM付きである。)

 サポートセンターでテストしてもらったところ、CPUの不良であることが判明。同じCPUに交換してもらうのが筋ではあるが「在庫無し」、そういえばBIOSも2.4Gとは相性が悪い。ならCPU種類変えてしまおう。

 かくして、Mobile Celeron3.2G搭載のマシンと世界で初めてMS-Windowsに認定されたマシンは、何の変哲もないCeleronD325搭載キューブ型デスクトップになってしまった。

 CPUの取り替えはそうでもなかったが、OSの再インストールは大変であった。予め現用のパソコンでサービスパックを落としてCD-ROMに焼いておく。まずは普通にOSをインストールする。サービスパックを適用する。ワクチンソフトとファイアーウォールソフトをインストールする。ここで初めてインターネットに繋ぐ。ワクチンソフトのパターンファイルを最新にする。WindowsUpdateを適用する。ハードディスク全体にウィルススキャンをかける。
 フロッピー十数枚をとっかえひっかえするMS-Windows3.1のインストールの方がよほど楽だったわい。

 しかし、NorthwoodコアからPrescottコアに変えて、、、リテールパッケージに含まれるヒートシンクの巨大さにため息。ShuttleXPCはヒートパイプを使った独自ヒートシンクだからこのアルミの固まりは無駄になる。これを組織的にリサイクルすれば結構地球に優しいんじゃないかしら。

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