何気ないエピソード

 何でも屋の私のところにやってきた人。セキュリティ扉が変なんです。
 ちょっと待て、「おかしい」だけか。おまえシステム屋だろう。システムがエラーを起こしたときに、エラーメッセージも確認しないのか?原因の切り分けできてもいい年だろう。
 とりあえず、現場に案内してもらうことにした。ところが彼はまっすぐその扉に向かおうとする。
 ちょっと待て、扉がおかしいんだろう。極力おかしなものは回避するもんだろう。幸い、扉は複数あるので、おかしくないところから入って、おかしいという扉の内側に回り込んだ。
 ほどなく現象がわかり、セキュリティシステムは正常稼働していることが分かって、問題は解決したのだが。ここで短い教訓。

 「おかしい」と連絡してくれた人は、ずっとメインフレームを扱ってきた人。なるほど、メインフレーマーはエラーメッセージを吐いている以外のところは正しいことを前提に動くのか。だから、扉にまっすぐゆけたんだな。これに対してクライアント/サーバー系もやった人は、あるサーバーがエラーメッセージを出していたら、エラーを出しているアプリケーション(ないしミドルウェア)だけでなく、そのサーバーの全体を信用せずに、サーバー全体を回避する。従って、かの扉には極力触れず回り込む。  メインフレームをずっとやってきた人がクライアント/サーバー系の担当となったときには、そのへんの感覚を身につけてもらわねば。
 ちなみに私、メインフレーマーに、シェルスクリプトを説明するとき「CLISTだよ」ですませたくらいは、メインフレームになじんでいます。

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