Gibson、電子ブックリーダー

 そろそろ電子ブックリーダーが欲しいなと、Amazon Kindle Fireに期待していたのだが、なかなか日本国では発売されないようだ。  そうでなくとも電子ブックリーダーに対しては不満が多い。

 まず、画面が光沢は絶対に嫌だ。あんなテカテカした紙に印刷された(しかもバックライトで照明する)本を好き好んで読む奴がいるか!である。
 かといって電子ペーパーもイマイチ。SONYが出しているが、ページをめくると一瞬、白黒が反転するのでは目がちかちかしてしかたない。さらに画面の焼き付きが起こる。ブラウン管時代を思い出したぞ。焼き付き防止のためにスクリーンセーバーというアイディアが出たんだよね。ちなみに液晶時代になってからは、セキュリティのためにスクリーンセーバーが利用されるようになった。行き先表示板となるものも作ったりなんかしたが。あ、これ作ったのは僕じゃないです。友達ですけど。画面のちらつきを押さえるのにいろいろ苦労したらしい。
 それにやっぱりカラーも読みたいときあるし・・・消費者というのは我侭なのです。

 しかしSONYの電子ブックリーダーの一番の欠点は、ページめくりがしにくいということだろう。ボタンが押しにくいと言うこともあるけれど、ここはいっそ例えば「フットスイッチ」でめくれるようにしてくれないかしら。いやさあ、これで楽譜表示したいんだよ。  だってさあ楽器弾いているときって両手ふさがるじゃん?フットスイッチで次のページにいけたら便利じゃないかな。それに楽譜って演奏中にめくれないように押さえとくの大変だから電子ブックリーダーと相性がいいんだよ。
 オーケストラだってそうかもしれないよ。当然演奏中に譜めくりするよね、でそんときは手を休めるから音量が変わったりするよね。(それを感じさせないのがオーケストラの凄いとこだけど。)これから開放されるんだよ。楽譜のデータとしての納め方、表示の仕方によっては、つまりスクロールさせたりなんかすると「譜めくり」の概念すらなくなるかもしれない。すると、ページをまたがるフレーズのどこで譜をめくるか、なんて考えなくてもすむ。あえてSONYを出しているのは音楽レーベルとも付き合いがあるから多少本気になってくれるかなという期待もある。「SONYの電子ブックリーダーをニューヨークフィルが採用!」悪い宣伝ではないと思うが。

 ニッチな市場?全くそのとおりだ。しかしこのニッチなニーズを押さえると、電子書籍の可能性がグーンと広がるかもしれないのだ。また何か考えているだろうって?もちろん。
 手の使えないのは楽器を弾いている人だけではないということ。開発の取っ掛かりは「楽譜」しかしその後、別のニーズが生まれてくるのだ。

 ここで、紙の書籍のページをめくるのが困難な人たちのために「電子書籍」を普及させなければならない、という大義名分ができるのだ。ニッチではあるが強力だ。これによって電子化された書籍の種類は増えるだろうが、普通は要望を満たすほどの速度では普及が進まないものだ。であれば、そういう人は既存の書籍を裁断して取り込み〜いわゆる「自炊」しなければならないが、自分でやるのはちょっと難しいよねえ。ある程度はボランティアがやってくれるとしても。
 ボランティアの人にしても、できれば1回裁断してスキャナで取り込んだデータは複数の人に分け与えたいだろう。当然出版社/著作者に対価は必要になるが、高い代金は要求できまい。ボランティアがやってくれることに便乗して儲けようとなんて、とても良心が許さないはずだ。
 しかし、ボランティアでは限界もあろう。となるとどうしたって「自炊代行サービス業」が必要とされるわけだ。自炊代行業者への質問状の中身も、再検討しなければならないだろう。
 出版社や作家はふっと思いつくだろう「お客様は身障者に限ることにしろ!」でも口に出して言えるかね?誰にその確認義務を負わせる?証明書でも出させて連絡しろとでも言うか?センシティブな個人情報には触れぬがよかろう。というわけで各代行業者を検査することは不能である。もし「偽っていることが判明した」なんて言ってくれたら「どうやって調べた!そのときの記録はあるか?」と追究してあげる。記録は絶対に出せないから、公式には嘘になる。

 SONYがだめなら、ONKYOあたりががんばってくれんかね。何?SOTECには開発力がないから無理だろうって。そーだなー。でもさあ、ONKYOってGibsonと提携したんだよ。ギターのメーカーとしては最強のブランドだ(ZEMATISの方が上、なんて言わないで)。なんとかGibsonブランドの「電子書籍~H~H楽譜リーダー」ってできんもんだろうか。悪くないぜ。普通に楽器店で売れる。少なくとも僕は手に取るぜ。よほどひどくなければ買う。
 が、Gibsonってたまによほどひどいギターを出すからなあ。今までは「音楽に正解はない。それも個性」だったが、電子機器になると、ギブソンは今まで無縁だった「リコールのある世界」に足を踏み入れることになる。ONKYOにそれを担うことができるか。(ちょっとだけインプレスに期待してたりして。)

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