ファイルサーバーがダウンすると、共有ファイルが直接更新できなくなる。コンピュータネタ、目次へ
あちこちに引っ掛かったファイルを探して、手を入れることはできるとしても、排他制御ができないため、複数人がそれぞれに更新することになる。
ファイルサーバーが復旧したときに、まーどーしましょう、となるのは明らかなので、復旧手順を作っておく必要がある。もしこれが、半日くらいで復旧するのであればそんなに悩まず「復旧待ち」しながら、現物のチェックやドキュメントの整理をしていればいいのだが、数日にわたる障害だとその間の「運用」が必要になる。少なくとも「運用の出口」が必要になる。なわけで、ファイルサーバーが停止した週末に考えた(まあ営業日でないのだから停止するのは当たり前だな)。以前作った「ローカルのMS-OFFICE文書を洗い出す」の応用なんだがね、ローカルの文書のうち、ファイル障害時点よりあとに更新したファイルを探すのよ。んでもってその一覧をファイルサーバー上の指定ファイルに追記してゆく。ファイルの作成日と最終更新日付とついでに誰のPCから見つけてきたかあたりを書くのよね。
ファイルサーバーが復旧して、各自がファイルを書き戻す前に、これを実行してもらう。
一覧にソートをかけると「どーやらこのファイルは○○さんと△△さんがいじっているようだ」と言うのが分かる。最も遅く更新した人を更新分マージ責任者に任命して、TOその人、CCそれ以外の更新者で、メールを自動発信する。(Notesであれば、MS-Excelのマクロから自動発信できる。)これで、もれなく関係者を洗い出して連絡する体制がシステム的に構築できるな、と思ったので、ツールを書いて、大公開!・・・なぜか誰も何も言わない。
いつものことなので、みんな山中鹿之助が好きなんだろうなあ、と思ったのだが、今回はポイントが一つある。実際にプログラムまで書いてしまったので「リカバリ支援策」として特許になるのだ。案外汎用的に使えそうな手でしょ。
大丈夫、日本総合研究所は、障害時にマニュアルを配信するという仕組みで特許をとっているし(特許公開2007-264924)、東芝に至っては、OSのリカバリ時にユーザーデータのディレクトリをリネームして上書きを防ぐというのに特許を取っている(特許公開2012-252701)。
それを考えると、十分特許要件を満たしてますな。
というわけで「今後、私の許可がなければ、リカバリはちまちま時間をかけてやらなきゃだめよ」ということで、大威張りできたわけだ。最近職務発明がどうのとうるさいので動きにくいんだがね。ファイルサーバーの納入や運用管理をやっている会社であれば「とにかく特許は押さえとけ」ですぐに担当が僕のところにやってくるのだろうなあ。
タイトルには「こんなありふれてそうな手段まで特許で押さえると、世間は困るだろうなあ」という旨を書いたが、でも、皆さん気が付いてなさそうだし、特許データベースを私が検索した限りでは出てこなかった。公開の代償に特許権をいただく程度の価値はあるのかもしれないね。【課題】
共通で使用するサーバーが故障したとき、多数で排他制御を伴って作成および更新されるべきファイルを、各自が個人使用領域で作業対象とした場合、サーバー回復時に同期をとることが難しい。【解決手段】
障害となったファイルサーバーを利用する各ユーザーが、ローカルのファイルシステムより作成・更新となったファイル名を抽出し、全体を集積する。集積されたファイル名ないしファイル名とその属性より、ファイル毎に操作を行ったユーザーの一覧を作成し、同期作業を行う関係者を特定し、連絡する。