ステルス・サポート

 家電製品、とりわけビデオレコーダーのメッセージにキレかけているのは相変わらず。
 シャープから三菱、やがてパナソニックに買い替えて随分と精神の安定は増したが、それはエラーメッセージが良くなったのではなく、製品としての安定が良くなったからだ。
 以前から言われているが、普及品レベルのAV機器となると、ソニーとパナソニックの二択であって、それは規模の経済が効いているからほかのメーカーでは太刀打ちできない、ということなのだな。

 それでもエラーメッセージは、シャープ程ではないが、あまり親切とは言えない。
 どこで落ちたかわからないからだ。
 これはシャープの場合だが、DVDを入れた。エラーメッセージ「エラーが起りました。確認してください。」メディアがロードできなかったのか、読み込もうと思ったが読めなかったのか。読み込んだが媒体内で整合性が取れなかったのか、まーったくわからん。

 せめて内部でエラーを起こしてプログラムが続行不可能と判断したところ、を記号でよいから出してほしい。記号の意味はマニュアルに書いていればわかるから。
 でもやなんだろうなあ。サポートするのは。でも家電でしょ。誰でも使えて当然でしょ。サポートがいるということは自社製品に欠陥があるということでありそれを認めたくないからメーカーに連絡を取ろうという気を起こさせまいというのは、モノを作って売りっぱなしで済まそうということだ。

 それでもパナソニックがきちんとできていたかというと、そうでもない。実は内蔵チューナーの感度が悪く、ブロックノイズがひどいので取り替えてもらった。今は複数チューナー内蔵が当然で、一つだけが悪かった場合発見するのはえらい大変だろう。初日に分かった私はまだ運のいい方だ。メーカーでは検証できなかったわけだから、売りっぱなしなんだろうね。
 かわいそうなは電気屋さん。でも当方が、ヤマダ電機社内処分を少なからず誘発したらしい奴と知ってコジマのオジサンは後で感謝してくれたかもしれない。「店内で食い下がってくれて(=店内で物事が完結して)よかった」。

 でも、私は物わかりが良いのだぞ。きちんと対応してくれれば交換に来た手間に文句を言うどころか、せっかくだから何か買っていくよ、と友好的な態度になる。これに対しモンスタークレーマーなんぞになると突っ込まれるのが嫌で、サポートをやりたくない会社の事情は分かる。かといって大多数の善良なユーザーを突き放すのはいかがなものか。それをやったもんだからシャープは立ちいかなくなって身売りしたわけだ。

 妥協案を考えた。エラーメッセージにダウンポイント(さっき書いたエラーを起こしてプログラムが続行不可能と判断したところ)を出力しよう。その一覧をWebに上げるのだ。(それすらもやってないのは問題なのだが。)ただし会社の名前を隠して。善意の第三者が「内部解析をして導き出しました。知識を共有したいのでアップします」という風を装って。
 第三者を装って、さりげなく宣伝する「ステルスマーケティング」の言い方を借りて名前を付けよう「ステルスサポート」。

(最近YAMAHAのステマがひどいね。あ、ギターで、だよ。本人は上手くやっているつもりかもしれんが。)

 今までだったら似たようなことをやると「内部リーク」と言われたかもしれんね。「ステルスサポート」と呼ぶと「内部リーク」のマイナスイメージは無くなるだろう。消費者の利便性向上のほかにもこういう狙いもある。NECのモバイルギアで「Double Shift DOS」を教えてくれた人に、私も感謝しているのだ。

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