これもまた、カントリーリスク

 JISA(情報サービス産業協会)の「法務・契約ハンドブック」なんぞを読んだ。
 「開発上のチェックポイント」と称して「貿易管理」なんて項がある。
ふむふむ、技術の輸出とみなされて規制に引っ掛かる場合があるのね。例えば暗号化技術とか。
 ところが何かが引っ掛かる。その前のページに「オフショア開発」なんて項目があったので。いや、オフショア開発で禁制品の輸出規制に引っ掛からないようにというのは分かるのよ。が、開発を委託した国から成果物を「輸入」する場合、相手国の輸出規制に引っ掛かからないように、という注意事項はないのかね。
 禁制品が「暗号化」だけだとしてもありうるよ。それは「暗号化プログラムを書いてくれ」と直接依頼することはなかろうが、システムの中に当たり前のようにある「ファイル転送」、仕様に「暗号化して」なんてのが混ざっていても特に誰も気にはすまい。結果として開発委託先の国に「暗号化技術を輸出してくれ」ということになる。
 そのときに「我が国の輸出規制に抵触するので納品ができない」と言われる可能性は十分にある。おい、このリスク、JISAは気にしているのだろうか?
 というわけで、JISAの「ソフトウェア開発委託基本モデル契約書」なんぞを気にしたりする。第54条に「輸出関連法令の遵守」という項目はあるが、納品されたものを輸出するときのことだしなあ。第53条に「不可抗力」の場合が決められているが「いずれの当事者も責任を負わない」そうだ。ふむ、さっき私が思いついたようなリスクは想定してないということか。「日中間におけるソフトウェア取引の動向とソフトウェア開発委託取引上の留意点」というJISAの報告書にも、概要を読む限り、そんなことは書いてないしな。

 相手国によっては、国家としては輸出に問題がなくとも、地方官僚が輸出に異議をさしはさんで、そんでもって止まる、ということがいかにもありそうだ。許可を得るためには金が要る、ということで追加料金を要求。当然地方長官からはキャッシュバックがあるということで事実上の割増料金を合法的に入手しちゃいましたと。ちなみに地方官僚の胸先三寸だから、暗号化技術、のようにいかにもなものでなくても起りえます。
このページ中国語に翻訳されたら、オフショア開発にちょっとだけ影響があったりして・・・。
(大丈夫です。いまのところ謎の中国美女は現れておりません。)

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