ネットワーク時代の組織名

 昭和の時代は組織を管理単位に分割する際に
営業1課、営業2課、営業3課
といったように、一連番号で名称をつけることが主流であったと聞いている。
 ただしここで忘れておいてほしくないのは、1課、2課という分け方はあくまで恣意的なものであり、その特徴を表しているわけではないということだ。つまり別の恣意が働くと名称を変更するのにさほど抵抗はないわけだ。

 というわけで、1課の取引先が減って管理スパンの関係から「1課と3課を統合しよう」ということになると、1課+3課で新たに営業1課という名前にしたりする。管理の面から言うと営業4課にしてほしいところなのだが、欠番は好まれないようだ。
 でもまだましかもしれない。1課と2課が統合になって「営業1課」、2課が欠番になるのを嫌がって「営業3課」が「営業2課」にリネームされたりすると目も当てられない。
 それでも「営業」となると対外的に覚えやすくないと、というのもあろうからそこまでややこしくなることはなかろうが、総務1課、総務2課、はちょっと。

 それでも昭和の時代ならこれでよかったかもしれないが、コンピュータネットワークが普及すると悪夢にある。社内OA用のファイルサーバのフォルダ構成は、だいたい組織図に似たものとなるから、上記のような組織変更が起ると
営業部¥営業1課 のフォルダに 営業部¥営業3課 のフォルダを統合しないといけない。
 これはすぐにきちんと対応しておくべきである。そのためのツールも作った。しかしながら営業3課は欠番なので、とりあえず旧営業3課のフォルダを使い続けるという選択肢をとってしまった場合、稀に問題が起こる。どういうときかというと、組織が拡大、ないし統合してもう一度「営業3課」ができるときである。すでにある営業3課のフォルダの中身を営業1課に持って行きたいところであるが、しばらく時間が経って、何人かは転出したり退職しているかもしれない、どこに持って行ったらよいか分からないファイルやフォルダがたくさんできてしまいそうなので問題は大きくなっている。

 さらに社内OA化は「組織コード」を持っている。ネットワークで社内文書が回付され、決裁されていたりすると、回覧情報に組織コードなんぞがついていてこれが非常にややこしい。受発注システムにまでついていたりして。これが中身が変わっても同じ「営業3課」だからということで連続性が取られたりすると、後から見てトレースしずらいことこの上ない。

 というわけで平成になると名は体を表す組織名が主流になってきたと想像できるのだが、 もう後は好きにしてください。

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