半導体不足?ホントに??

 実はちょっとカリカリきている。
 半導体の供給が細り値上がりしている件。でも「高くなったから」という理由ではない。

 値上がりしているけど売ってるじゃない、買えるじゃない。
 正直今までが安すぎたのだよ。
 と思うのは「お金出しても買えない時期」を知っているからだ。
 そして、今の半導体市場を分析している人、にも言いたいことが、そんな人がいたとして1993年の、お金を出しても買えない時期と比較してどのように感じてらっしゃいますか?
 LSIを包む樹脂、これを世界の7割だったか作っていたのが愛媛県新居浜市の住友化学。ここで爆発事故が起こった。残りのうち2割を作っていた山口のメーカーに注文が殺到したのはもちろんだけども、そう簡単に生産量を上げられるわけがない。
 おかげで当時売れ始めていたWindows3.1はメモリを積みたくても積めず4MBで見切り発車していたのだよ。これだとペイントブラシもスワップなしでは立ち上がらない。

 そういやあったなあ。秋葉原にノートパソコンを買いに行ったんだ。でも専用の増設メモリがどこに行ってもないという。それでも一軒、奥の方にそれっぽい箱が見えた。売ってくれと頼んだが「モノは押さえたけど価格がわからない」。あるにはあるんだな、と更に探したところ価格表に記載のある店が。「売ってください」「予約受付中です」。踵を返して元の店に「ここではこの値段で売るそうです。」即座に値付けがされ、ニョーボのコンパックはおそらく最初の8MBを積んだエアロになった。

 でも当時はサプライチェーンの問題であった。今回は不自然なほど続く工場の火災に備えること、半導体需要を喚起するテレワークを更に推し進める必要があること、から国家戦略の問題に格上げされるべきであり、1993年の事例とは一線を画す、というなら分かる。
 そもそも需要が増えれば供給を絞る、というのはオイルショック以来一般的な出来事。たとえば木材値上がりに乗じてワシントン条約の規制を強化するという動き、今回も出てるでしょ。
 ただ石油や木材みたいに資源が偏在しない工業製品である半導体で供給をコントロールして儲ける、というのはカルテルが成立しにくいのですんなりとはいかないのだよな。日本の工場を外国のスパイが爆破しているという観測は当然あるけど。

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