携帯電話の着信メロディー、非常に気になることが多い。音楽ネタ、目次へ
曲の途中までしかやらずに元に戻るというのが堪えがたいのだ。
特に嫌なのが、ベートーベンの「エリーゼのために」。ロンド形式の後半、ベートーベンならではの激しいフレーズがすべてカットされるというのはとても容認できるものではない。
(まあ、「ベートーベンの美しい旋律」というと、これと「悲愴」と「テレーゼ」と「春」くらいしかないので、ついつい重視してしまう気持ちはよく分かるが。)まあ文句を言ってばかりも何なので、多少は建設的なことを。何を着メロにすると腹が立たないか。
短い曲なら全部打ち込めばいいじゃないか、とも思うが、まず入力が面倒である。それを抜きにしても、着メロの義務として、所有者が電話がかかっていると気がつくまでの間自己主張しつづけるということがあるため、最初から最後までフォルテシモで突き進むという曲を選ばねばならない。これが案外少ない。冒頭の動機がキャッチーなことでは最右翼のベートーベン「運命」もすぐ音が小さくなる。
マーラー8番は合唱が入るから再生不可能(だいたい長すぎる)。シューマンの3番くらいかなあ。やはりモーツァルトが一番無難?
ただし、そのまま曲が流れつづけると逆に聞き流してしまいそうなので、気が付きやすいように繰り返しをつけるというのも分からないではない。ならば初めから繰り返すことを前提に作られた曲を着メロにすればよい。(ハズ)
となると、スティーブ=ライヒに代表されるミニマムミュージックが最有力候補として浮かび上がるが、問題がある。ライヒ自身が自分の音楽は繰り返しではなく、発展するプロセスだと主張しているのだ。単純に繰り返すとライヒの承認は取れそうもないし、たまたま横で着メロを聞いたファンに抗議されるかもしれない。(まあテープ操作で作ったCome Outなんか着メロにしようがないわなあ。)かくして、ロック系のリフというのが候補に上がる。ところが・・・結構難しいんだなあ。私は未だDeep PurpleのBURNのリフを着メロにしているのを聞いたことが無い。Zepの「移民の歌」もない。BeatlesのI feel fineもない。なぜだろう。
恐らくファンとしては、リフが延々続くだけというのが耐えられんのだろう。歌がはいってほしいと欲求不満がたまるわけだ。丁度私がエリーゼのためにを途中で切られていらいらするように。でも、何か無いか、周りに全く頓着せず執拗に繰り返してもひたすらかっこいいだけというリフ。・・・あったー。
Rolling StonesのSatisfaction。
有名なリフがイントロとサビの部分で使われるが、特にサビの部分。周りのコード進行とミックの絶叫をを無視してひたすら押しまくるさまが実にかっこいい。よし、自分の着メロはこれにしよう。
残る問題は、どうやって携帯電話からギターのディストーションサウンドを出すかどうかである。でないと、たまたま横で聞いているファンに不快感を与えてしまいそうだ。電車の中では、携帯電話の電源を切ることがマナーのようにいわれるが、着メロで他人に不快感を与えないという観点からは、上記のような問題も考えに入れるべきと当方は思っている。