ご意見募集、史上最高のTVアニメソングはなにか

 最近悩んでいることがある。TVアニメの主題歌の中で「おじゃ魔女どれみ」は何位くらいにランクされるのであろうか。これで「自分の中では二位!」とか勝手に決めてしまえば良いのだが、真面目に追究してしまうのが私の良いところでもあり悪いところ。
 いろいろと考察する項目があるのだ。そもそもの引っかかりは、おじゃ魔女どれみの主題歌(どれみたちが三年生のオリジナルのやつですよ)、イントロから導入部は「最高!」なのだけど、短調に転調してから元の調に戻れないのがどれくらいの減点要因となるのか、である。
 これは人によってはかなりの減点となるようで、現代音楽の作曲者、黛敏郎はNHK連続テレビ小説「ひらり」の主題歌「晴れたらいいね」を「6回も転調し、元の調に戻っていない」と批判している。
 まあ「元の調に戻らない」がBeatlesのI'll Be Backのように「無調ではないか」と思わせるまでになれば、これは逆に評価を高める要因とすらなる。

 アニメソングの枠をどこまで広げるか、も悩ましい要因。
 これを、すべてのアニメとしてしまうと、ジャズのスタンダードナンバーとまでなった「いつか王子様が」や、宇宙人すら演奏した「星に願いを」(未知との遭遇です)が対象となり話が非常にややこしい。で、日本のアニメとしよう。さらに「千と千尋の神隠し」だと「アカデミー候補」ということでプレミアがつきそうなので、涙をのんで日本のテレビアニメに限定する。(少しでも「おジャ魔女どれみ」の順位を上げたいらしい>自分)

 日本のテレビアニメとしても、これが海外で放送された場合、そのときの曲はどうするのという問題もある。これも比較のしようがないから対象外にさせて。
 「アルプスの少女ハイジ」はドイツで放送されたとき主題歌があちらのオリジナルに差し替えられ、それがヒットチャートをにぎわしたが(少なくともベスト20には入ったはず)これも対象外。

 当然のことながら、そのアニメオリジナル曲に限定する。まあ、作曲者や歌手はアニメソング以外でも活躍しているので、歌手のネームバリューが主か、アニメの曲としてとしてが主か、これをオリジナルかどうかの判断要因としよう。
 悩ましいのが、岩崎良美の「タッチ」。これはタイトルがタッチだからアニメ曲。
 杏里の「キャッツアイ」をどうするか、と思ったが、杏里、この曲を出したときは売れない歌手だったそうだからアニメソング。(この年、大阪市立大学は学園祭「銀杏祭」の「杏」にちなんで杏里を呼んだそうな。出演契約から銀杏祭までの間に大ブレイク。)
 大穴は、曲名知りません、CityHunterのエンディングテーマ。TMNetworkです。
 扱いが難しいのが「月光仮面」。これはオリジナルは実写版だったということで、対象外。これを入れると仮面ライダーや戦隊ものも対象にしないといけないから。(ここまでしておじゃ魔女の順位を上げたい私)

 さて、扱いがデリケートなのがハイスクール奇面組「うしろゆびさされ組」。おにゃん子クラブとタイアップ、なんだろうなあ。が、これはアニメ作者に敬意を表してアニメソングに分類。

 良い曲かどうかの判断基準も難しい。
 原則、いいなと思えばいい曲でいいのだろうが、例えば「アニメの原作者が気に入っているかどうか」という判断基準も考えられるからだ。

 この基準とすると先ほどの「うしろゆびさされ組」が次点なしのトップにきそうだ。
アニメ版では卒業式に高井麻巳子と岩井小百合をゲストに招いて歌わせているし(半身になって右手を後ろに回すシーンの微妙な動きはTVアニメの金字塔だ)、劇画版では「うしろまわしげりさくれつ組」として登場させ、「僕のイメージぴったり」と最大級の賛辞を送っている。
 が、どれみの場合も、1年目の主題歌を4年目の最終回、最後の全員集合のシーンでBGMに使っていたりするのだから、やはりあの曲は作者も気に入っていたのだろう。

 全然関係ないが、私は長いこと英語のmilestoneという単語を「一里塚」と訳しながらも、その心は「金字塔」と思うておった。milestoneの語源を「マイルス=デイビスの吹くトランペットの音」と信じておったのだ。

 ちなみに、個人的好みではありますが主題歌にアニメのタイトルが織り込まれると、歌がアニメに依存してしまい、普遍的価値がなくなるようで嫌いです。
 さらに関係ないですが、私の出た高校、校歌の歌詞に校名も地名も出てきません。その格調の高さが大好きでありました。

 とか何とか言いつつも、やはりTVアニメの主題歌、No.1は「宇宙戦艦ヤマト」と思っているのですな。あの声が最高。
 いい加減関係無いですが、Webベースグループウェアで有名なサイボウズのテーマソング、あの人に歌ってもらっているそうです。絶対あそこの社長、面識はなくとも私と友達だと思う。ノリの良さを知性でコントロールできるところが私は大好き。

 やまどりのしだりおのように長々と連ねてきましたが、要するに
「みなさん。史上最高の日本のTVアニメソングはなんだと思いますか。」
ということでアンケートを行いたいと思います。どしどしご応募ください。

メールはこちらにお願いします。。moriyama@e-mail.ne.jp

できればその曲を推すうんちくをつけて。アニメ曲のうんちくでホームページを作ったなんて人がいたらURLを教えてくださいな。
 言わずもがなですが、こういうのは結論を出さずにぐちゃぐちゃ言うところが楽しいのです。もちろん集計結果も発表します。

なお、当方の意見は

  1. 宇宙戦艦ヤマト(イントロ〜歌唱〜フィルインまで一貫した力強さ)
  2. おじゃ魔女カーニバル(1年目の主題歌:日常を突き抜ける爽快感)
  3. すいーとそんぐABC(おじゃ魔女3年目のBGM:Codaの展開がいい。)
 ただ、ものすごく残念なのは「おじゃ魔女カーニバル」のオリジナルCD。すでに入手不可能なのです。出していた会社がリストリされてしまったから。(リストリ、restrict:制限する、排除する、から連想した私の造語。不採算部門を切り捨てる、という場合、英語ではrestrictが使われる。)うぅ、会社を勝手にたたむなら、版権を放棄しろ!

 なお、おじゃ魔女どれみ、物語の舞台である「美空町」がどこにあるのか、実に気になったので、いろいろと考えてみた。
 滋賀県に「美空町」という地名があるのは知っており、であれば物語で「海」のように見えるのは、実は琵琶湖だという解釈も成り立ちそうであるが、無視できない問題も多い。

 美空町の条件のうち、

といった条項がクリアできないのだ。

 上の条件から考えると、東京近辺の海沿いということになる。
 しかし、この地帯に「町」という行政区分はない。
 東京湾沿岸全部「市」か「都」でつぶされている。

 が、TVでは、いつの間にか「美空市」になっていた。うーん。最近「町」から「市」に移行した東京湾岸というと。。。「浦安町→浦安市」。(といっても1981年だが、比較的最近ということで。)
 なるほど、その存在をかけらでも出せば多額の著作権料を請求されそうな「東京ディズニーリゾート」をばさっと切り捨てて考えて「浦安町」のままにし、舞浜以南を埋め立て未済としてしまう。設定としてはうなずける。
 ならば鉄道も走っているぞ。川もある。条件はそろってきた。
 では、富士山が見えるのは・・・確かに富士見という地名がある。そうか、あそこか。
(かなり薄弱な根拠であるが他に適当な判断材料がない。地名は自治体が勝手につけてもいいから名が体を表すとは限らない。たとえば同じ千葉県に「ユーカリが丘」という地名はあるが、ユーカリの木は生えてない。植えたはいいが根付かなかったそうだ。なお、私の出身高校にはユーカリの大木がある。)
 あそこならたとえば堀江中学校前から舞浜駅(つまり海岸)までバスで5分程度、裏手はすぐに川(わざわざリサーチに行ったのか>自分)。東京都の隣なので、修学旅行の集合場所がいきなり東京駅でも不自然ではない。

結論
あのへん。
問題点
市の4分の3を埋め立て地が占めており、埋め立てられてから魔法堂ができたのでは歴史の長い魔女界で伝統を持つには新しすぎる。
どれみたちは川を渡って通学しているが、めぼしい川を渡ると別の行政区域になってしまう。


2003.3.23現在、いろいろと、興味深い主張が寄せられております。  「天才バカボン」を推す方がおられましたが、理由がいいです。この歌があるから日本人は太陽が東から昇り、西に沈むという事実を常識として理解しているからだというのです。
 これはアニメソングを、社会性という点からも評価できるという点で偉大なるパースペクティブの拡大といえるでしょう(言葉の使い方合っているかなあ)。確かにこの知識があってはじめて、聖徳太子の「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙(つつが)なきや、」という圧倒的な強国に対しても卑屈にならなかった日本外交の記念碑的国書の意味が分かるわけであります。ブッシュ外交にいいようにされている今の日本を憂えるには、まず天才バカボンから、といえるでしょう。

 マジンガーZを推す方もおられました。お隣の国韓国の結構おしゃれなバーで何度も何度も流されていたそうです。韓国が日本文化の流入を制限していたことを考え合わせると、インパクトはすごいものがあります。国際的な文化の交流に寄与しているわけで、国際性という観点から見過ごすことはできませんね。ところで「おジャ魔女どれみ」がドイツで放送されていたときは、どんな主題歌だったのでしょうか。

 タイガーマスクのエンディングを推す人もいました。確かに「変拍子」が入って、かつスムーズに聴かせるというのは、作曲者の資質の高さを印象づけるものであります。
 同じ人は「サザエさん」もあげられました。「やはりきたか」というのが感想です。もはや日本人の1週間のリズムに溶け込んでいるとさえいえるこの曲、知名度ならNo.1でしょう。

 メールをもらって気がつきました。当方がアニメソングの評価基準として「非日常にワープする突破力」を無意識的に仮定していたようです。いつもの「はりせんかまし」のトーンからは、「バカボン」の社会性、マジンガーZの国際性を高く評価するほうがありそうなことですね。(アニメソングにそういう評価を持ち込んだ人が、私のWebページを読んで、メールをくれるというのが、ものすごーくうれしい。)


(2003.4.13追加)
 宇宙戦艦ヤマトのエンディング「真っ赤なスカーフ」がいい、という方がおられました。(メールどうもありがとう)「歌っていて気持ちいい」そうです。しかし、当方としてはもう少しうんちくがほしいところです。

 もちろん歌っていて気持ちいいという意見には同感です。でもこれだけの理由に留まってしまうと、よーするに自己満足だろ、と突っ込まれるおそれも大。
 かくして、照れ隠しに気持ちよく歌える要素を考慮してみることとした。

 少しTVアニメの範疇からは外れるが、歌っていて気持ちいい曲というと、当方最初に浮かぶのが、ディズニー「リトル=マーメイド」のPart of That Worldなのだな。
 縦横無尽に歌っているように聞こえるのだが、音域はわずか1オクターブに収まっている。歌いやすいが、いかにも上手そうに聞こえるので「気持ちいい」。(ドリアンスケールを使っているのも効いている。)
 この理由を「真っ赤なスカーフ」に適用できるかを考えると、声域がオクターブ半になるので、気持ちよく歌える人が限られてしまうのではないか、ということでいまいちということにしてしまおう。(歌謡曲は歌いやすいように1オクターブと1音の音域にとどめるのが普通。これを超えるとちょっとね。)

 その他、歌っていて気持ちいいのは・・・と考えると普通は出ない高域がこの歌に限って出るという曲なんてのも気持ちいいです。私の場合は、シューマンの「詩人の恋」がそれにあたる。上のAまで出ます。Bealtesを歌うとEが苦しいのだけど、なぜか「美しき5月に」が高声用の楽譜で歌えてしまう。もともと「声が低すぎる」ということで合唱団に入れてすらもらえなかった暗い過去を持つ私としては、溜飲下がりまくり。

 なわけでこーゆーうんちくをつけてみました。で、真っ赤なスカーフを歌うと・・・おー高域がのびるのびる、ということで○。ただし、声量も余計なくらい出てしまうので、人前で歌うのはちと恥ずかしい。で、一緒にカラオケ行きませんか?>メールくれた方。

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