クラウド作曲支援

 世の中には「作曲がやりたい」という人が結構沢山いて、
 コンピュータがあれば何とかなるんじゃと信じている人も多少はいるようだ。
 これは「コンピュータがあれば的確な市場分析ができる」とか「経営戦略が立てられる」なんて思った経営者も昔は(今でも?)いるから、非合理的とはいえ人が一般的にあこがれることなんだろう。

 が、経営者はそれなりにコンピュータにお金をつぎ込むが、作曲志望の方はつぎ込むお金に不自由していることが多い。つまり無料のWebアプリを使うと作曲ができないかなあ、なんて夢想しているようだ。

 モーツァルトはペンがあればさらさらと作曲できたそうだし、ベートーベンも主題を何回も推敲したとはいえコンピュータは使っていない、そんなわけで作曲はコンピュータなしでもできるし、あったからといってどうということはないと思うのだが、オリジナル曲を求めるクリエイティブな才能たちはそうは認めたくないものがあるらしい。

 今までは「ヤレヤレ」でスルーしていた。コンピュータがあれば作曲できるわけでもないし、ましてやWebアプリがそういう無料サービスをやってくれるとは考えにくい。
 が、待てよ。ペイするかどうかは別として、そういう作曲支援の無料サービスを立ち上げて儲けるビジネスモデルは作れるなあ。
 つまりこういうことだ。利用規定に個人情報保護っぽいことを書き込むのだ。
「入力された情報は個人の特定できない形で集計して・・・利用することがあります。」

 さて、このWeb作曲支援アプリを利用して誰かがオリジナル曲を作ったとする。当然彼はサーバーにデータを送信する。これを利用してWebアプリ提供者がオリジナル曲を作るのである。ぶっちゃけた話、ユーザーの打ち込んだ曲をパクルのだ。リズムパターンとかコード進行パターンを作曲ソフトらしく選択/カスタマイズ可能とすれば複数の人が同じリズムパターンをバックに作った曲をまぜこぜにして発表できるってわけだ!
 訴えられるリスクは果てしなくゼロ。だって利用許諾条件の範囲だし、こちらに問題がない証明責任ないし、だいいち作曲支援ソフトも買わない人間がコストのかかる訴訟を起こすわけがない。

 よし、これでビジネスモデル特許をとって、私も音楽市場に参入よ、って、さすがにやらんぞ。それなりに曲が書ける人間としてのプライドが許せん。
 でもホームページのネタにはさせてね。影響でかいけど。

 これでさあ、ビジネスモデル特許をとったとする。すると類似のサイト(盗作のための撒き餌)を作る人に対して「特許侵害」って言える。そうなれば、オリジナル曲をパクられたユーザーを代弁して訴訟を起こしたりできるのだ。が、そんな特許とる気はない。
 つまり特許は成立しないので、みなさん自由にこのアイディアを使って撒き餌サイトが作れる。
 なんと無責任なって?大丈夫、だれもつくりゃしないって。音楽なんて今更儲かるもんじゃないからね。それにAKBの曲くらいなら、パクる仕組みなくたって作れるから。

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