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 いずれ詳しく書くことになると思うが、遅ればせながら「ハイレゾ」というものに目覚めてきた。
 ハイレゾ対応ウオークマンを買ったことすらまだ書いてないが、それは「かったよー、いい音、かんげきー」などというレベルのことを読まされてもみなさん面白くないだろうということ。せめて○○のバーゲンで△万円ぽっきりで手に入れました、くらいのオリジナリティは必要だ。そもそも確かに従来品に比べても音はいいところもあるが、次元が違うというほどではない。

 ところが事情が変化。最近録音機器を(またもや)買い換えて試しに録ってみた。そこでモニターのために久しぶりに対応機器を引っ張り出した。パソコンからONKYOのSE-U55SX(2007/11発売)というハイレゾ対応D/Aコンバーターである。これをSTAXのヘッドフォンで聴いてみると音がいい!
 ZOOMのH2(2007/8発売)が出たてのときに24/96で録音して、しばらく使っていたが、特に高音質という印象もなかったので、故障したときの買い替えは機能を優先して24/48。このようにハイレゾはそれなりに利用していたのだが、特にいい音って印象もなかったわけだ。だから、それ以後はめんどくささが先に立ってパソコンにDigiFiって雑誌のの付録D/AコンバータをつないでゼンハイザーのHD218で聴くなどという手抜きをしていたのだ。
 こんなふうに、ハイレゾって言ってもたいしたことないなあ、と思っていたのだが、その原因はソースだけでなく、この付録にもあった。どこにも書いてなかったがハイレゾ推進の雑誌であるにもかかわらず、ハイレゾに対応していない機器をつけていたのだ。そうするとパソコン側が気を効かせて自動的にビットを落としてくれてたのですな。そーならそーとDigiFiも「ハイレゾには対応していません」と書いておいてくれないと(本紙を見直したが対応フォーマットの定格が書いてないのだ)。おかげで「ハイレゾってうたってても大したことないな」と思ってしまう人間が私を含めて量産されたはずである。

 そのDigiFiであるが、遅ればせながらhttp://www.schaft.net/n00bs/2014/05/29130000.html24bit/96KHzに対応した付録を出すそうな。もっとも「当社比○%UP」とうたっていないので、今までの付録を持っているからいいや、とスルーする人が何人も出そうだ。確かに嘘はついてないがミスリードした報いだ。がんばってください。
 んで、これ3号連続のシリーズもの、ですって。はあ、気の長い。えっと、まずはD/Dコンバータ。ついでD/Aコンバータ。最後にデジタルアンプ。おじさんの若いころのパソコンの世界、半年も経てばそれまでの規格の存在意義が疑われるほど移り変わりが激しかったが、世はインターネット時代。多分半年たっても「DSDが主流」にはならないという確信があるのだろう。

 オプションでUSBバスパワーのノイズを避けるための電源を内蔵した3号分の組み込みケース、なんてのが発売されるのは間違いないとして、付録の試作品の基板写真に「?」。
 D/DコンバータとD/Aコンバータをドッキングコネクターでつなぐのはいいことだと思うけど。でもなぜD/AコンバータとデジタルアンプをRCA2本でつなぐのだろうか。
 だってデジタルアンプって、信号をデジタルのまま増幅するのでございましょ。ってことはD/A変換したものをアナログで伝送して再びA/D変換・・・無駄だ。音が劣化する。前にも書いたがオーディオマニアというのは劣化した音を聞く気がしなくなる人種なのだ。もっともオーディオマニアはデジタルアンプを、少なくともメインで使わないとは思うが。
 でもさ、オフセットはデジタル的に除去できるんだから「デジタルアンプは完全DC構成。カップリングコンデンサは原理的に不要」なんて押し出してくれると、思い切り気になりますです。ノイズの乗りやすいUSBからの信号をD/D変換してPCM符号にしたのち、コントロールアンプで周波数補正を行って、パワーアンプに入れるときPCM→DSD変換、なら思い切り気になります。
 さらにチャンネルデバイダもデジタル的に作れば位相のずれは起こらない、バイアンプ駆動してゲインをデジタル的にコントロールすれば、スピーカーネットワーク、特にアッテネーターによる音質劣化皆無!なんてのもつくと言うことございませんわ。(最近下の娘の影響で「ちゃお」語が混じってきた。)

 と思ってましたらONKYOがデジタルチャンネルデバイダ付きのプリメインアンプはこっそり作っててくれたらしいね。AVアンプは例えば5+1チャンネルと5台以上のアンプ回路を内蔵しているのが普通だから、2チャンネルステレオで聞くだけなら余る。その余ったチャンネルをバイアンプに振り分ける。優れたアイディアだったのだが、あれ続くのかな。SONYがFM用IFAを流用してダブルスーパーヘテロダインを安価に提供したスカイセンサー5900に匹敵するコロンブス以上にナイスな発想だと思うのだが。

 それをしないということは、「デジタルアンプ」というのはマーケティング用語で「実はアナログで大半を処理してるんですよ」ということに違いない。ところがちょっと調べたところ、すでに出力段のローパスフィルタを除いてフルデジタル、というものが存在するらしい。なんだ、つくれるじゃん。
 かくしてDigiFiの付録の件であるが
「今回は見送り」
となった。理由は「来年あたりD/Aコンバータを介さない、フルデジタルが出るでしょ。それまで待ち」。あるいは月刊ステレオが出してくれるか?
 売れなくてもあきらめてくれ。小出しにしてきたツケである。その代りD/Dコンバータからのフルデジタルができれば買いますので。

 DigiFiというか株式会社ステレオサウンドも言い分はあるだろう。現在、伝送経路としてアナログとデジタルが混在しているため、汎用性を持たせてパワーアンプはアナログ入力とした、なんてね。でも、だからこそ雑誌の付録というシリアスになりすぎない位置づけでD/Dコンバータ+デジタル信号加工(marantzが30年近く前に実現している)+デジタルアンプのフルデジタルプリメインアンプを出して、これからのオーディオのあり方を提案すべきではないかね?

 確かに困ることはある。プリメインアンプの方が先行して導入できるアーキテクチャーのため、ひょっとしてセパレートアンプよりもプリメインアンプの方が「音がいい」という現象が起こり、オーディオメーカーの利益が減るのだ。
 それとも、やっぱりデジタルアンプはピュアオーディオ的にはどうしようもないのであろうか。たぶん私のスピーカーとは相性が悪い。マグネットが馬鹿でかい(つまり逆起電力が大きい)共鳴管(周波数別のインピーダンス変動が大きい)方式のものだからね。

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