エレキギターのディストーションはなぜ心地いいか

 イギリス製のデリケートなギターアンプに、アメリカ製のパワフルなギターを繋いだところ、入力過大で出音が歪んでしまった。
 ところが、これはこれでアリかな、と引き続き弾いた人がカッコ良かったおかげで、世間一般で「アリ」な音になり、それどころか「ディストーションサウンド」とロックギターはこの音でなくては、と言われるまでになり、おかげで出音が心地よく歪む増幅素子である真空管は半導体に駆逐され切ることなく、引き続きあちこちで生産されている。

 ところがなぜディストーションサウンドが受け入れられるのか、その理由は謎のまま、らしい。

 ところで南ドイツ新聞に、いわゆる「パナマ文書」が持ち込まれ、世界の指導者や富豪、大企業の課税逃れが徐々に移明らかになってきている。ならばどうすれば一般庶民もタックスヘイブンを活用できるか、とスキームを考えているところであるが、健康保険や社会保障を考えるとハードルは高い。それこそ社員全員役員でニート、くらいの失うものがない会社でないとうまくいかない。その場合、社員を全員タックスヘイブンのペーパーカンパニーに雇われた形にして、日本の会社とペーパーカンパニーが契約を結んで労働する、ということが考えられる。会社側に余分な利益が生じたらペーパーカンパニーにボーナスを出すという形にして、各従業員は(自分を雇うペーパーカンパニーの資産の形で)海外に留保するということができそうだ。消費についても、輸入品の場合、書類上現地調達の形にして個人輸入したことにする。消費税を回避できるよね。一般サラリーマンの場合厚生年金や雇用保険、健康保険、あたりが問題になってくるんだよな。厚生年金は思い切るとしても、健保は捨てがたい。

 というわけでパナマに関心が集まってきている。当然、自分たちは意識が高いというアピールをしたい学生その他のバンドマンは「新歓ではVAN HALENのPanamaをやろう」と盛り上がり、練習に励んでいると思う。難曲と記憶しているが、さて可能だろうか、と久しぶりに聞いてみた。超絶技巧を誇るギタリストEdward van Halenだがなんとか恰好を付けることはできそうだ。どうせだれも完全に真似できないんだ、って共通理解があるから、そこそこ雰囲気に乗れば納得してくれるだろう。
 しかし技術的にはごまかしがきいても、この音、特にイントロの音、どうしますかね。常日頃から大音量で練習してないとあんなふうな音色のコントロールはできません。アメリカはちょっとした家には地下室があってそこでは爆音出し放題なんでしょ。うらやましいものです。それにEdwardの音は最高の

ディストーションサウンドだ。これを真似るのも難しい。(ここで最初に戻る。)

 さて、なぜこのディストーションサウンドをこれほど「イイ!」と感じるのだろうか。久しぶりに取り出した何度目かの疑問。が、今回に限り解けてしまった。ああ、あの音だ。

 ハードロックを聞かせると赤ちゃんが寝るという現象は確認されているらしい。理由としてはうるさい音楽を聞くとどうしていいかわからなくなり、自己防衛本能として「寝る」と解釈されている。
 しかしVAN HALENの音を聞いていて印象が変わった。あの音、擬音語にすると「バリバリ」に近いんだなあ、厚手の錫箔を破る時のような。一般的でないたとえだなあ、要するに「スーパーの袋をガサガサ」としたときの音を低くしたみたいな音なのだ。そう、赤ん坊が寝る、と言われている音です。この場合母親の胎内の音に近いから、って言われ方しているよね。

 つまり、ディストーションサウンド特にヘビーメタル系のその音って
「母親の体内の音」
に似ているから耳に心地いいのではないかな。するとロックファンが「大音量で」聞きたがる理由も推計できる。聴覚全部を胎内の音で満たしたいわけよ。

 うーん。ここで「ロックファンの母親は一般にやせている」なんて相関関係が出れば、そしてそれがビニール袋でよく寝る赤ちゃんの母親の傾向と似ているとくれば、ものすごく納得感あるのですが、どーでしょう。

 とりあえず、ディストーションと母親の胎内の音、は似ていると思った。
 自分的には、話のタネ以上の仮説、として押し出すに十分と思った。

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