クイーンも言っている。見捨てるべきは見捨てよう。

 人気ロックバンド、クイーンの残党が
We are the Champions
の替え歌をつくって医療従事者を励ました

 これでもクイーンのファンなので素直に応援したいが
「ついにやったな」
感がある。でも、確かにこの応援は必要なのだ。

 元の歌詞にある
No time for losers
を変えなかった。

 さて、医療従事者は人工呼吸器その他の不足から「命の選別」を迫られているらしい。私の感想は「そーだろーなあ。でも苦しいなんて言わないで、覚悟はとっくにできてるんでしょ」である。
 というのは、私が「お医者さんにならない?」と言われたときに答えたのが「手を尽くしてももう助からないとわかるときがある。だからといって患者さんを見捨てることが自分にはできない」と、すでに覚悟を決めることを予測していたからである。小学校2年生の時だ。小学校低学年でも分かっていたことを、まさか難関といわれる医学部を目指す優秀な生徒が勉強する途中で気が付かないわけはない。だから辛そうにしているのはあくまで「ポーズ」だろうと思っているのだ。
 そーいや、うちの父親がなくなるとき、主治医は命綱の薬の投与を止めに来たなあ。きっと当日中に亡くなってほしかったのだろう。(それでも持つのが、うちの家族のすごさだが。〜主治医は付きっ切りでいるべきだった。どれだけ学ぶことがあっただろう。まさかその薬を止める意味が我々に分からないなんて思ってました?)
 助からない患者を見捨てるのは耐えがたいほど辛い、と7歳で気が付いた人間は、見捨てることを理解し、許容する程度には強い心を持ったようだ。

 助かる確率の少ない患者を見放すのは当然としても、患者とその家族というものは時として理不尽である。なので医療従事者側にも背中を押してくれる何かがいるだろう。そんなときクイーン(の残党)が
「敗者に割くべき時間はないぞ」
つまり「あなたたちヒーローは助からない人間は見捨てるべきだ」
と歌ってくれたのはありがたいことかもしれない。
 アダム=ランバートの声というのが、ちょっとだけいただけないが。(以前の私の声のほうがフレディに近い。)

(元々はアングロサクソンの「自分さえよければいい」という発想の歌詞なんだろうね。
他の例としてLed Zeppelinの「移民の歌」から
For peace and trust can win the day despite of all your losing.)

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