全電池駆動オーディオ

 言ってみればオーディオマニアの一つの夢である。
 すべての機器を商用電源に頼らず、駆動するとどれほどクリアな音が実現できるか。
 実はウォークマンでも、あるいはラジカセでも実現できていることなのだが、結局いろんな部分の電源を共用している関係で、各機器が影響を及ぼし合うせいか、トータルの音はあまりよろしくない。それでもカーオーディオのクオリティになるとこれがイケる。潜在的にはすごい能力を秘めていそうだ。

 本当は、ハーマンカードン or ローテルのアンプをバッテリーで駆動したかったのだが、メインスピーカーである高さ215cmの、どっちかというとハイカノンのユニット(FE208S)がヘタってしまって、まあ、あまり大音量を出せる環境でもないし、となっていたのだが、おかげでそれなりに電池駆動ができるようになっていた。
 実はいかなるCDプレイヤーよりもビットを読み出す正確性については優れている予めリッピングしたデータをパソコンで再生。ただし再生ソフトで音質が左右されるという事実もあって(実はOSでも異なる。アンプの電源を入れた瞬間の閾値ギリギリのノイズで判断できる程度の差)、使っているのはもちろんPlayPcmWin。なにしろ一度音楽ファイルをメモリに読み込んでから再生するという、オーディオ的発想がよろしい。実際音のハリがまるで違ってくる。
 これをUSB給電のD/D+D/Aコンバータで音楽信号にするのだが、USBケーブルに特殊なものを使い、パソコンから供給されるのはデータのみ、電源はモバイルバッテリーから供給(ついでにいうとバッテリーの二口あるUSB端子をまとめて供給)。これをそこそこのヘッドフォンで聞いているとなかなかいい感じである。しかしSTAXのイヤースピーカーは高電圧を使う関係上、どうしても商用電源が必要であった。ここにモバイルバッテリーの親玉を使う。つまり屋外用のポータブル電源。株式会社JVCケンウッドというのがいいだろう。一番安いやつだけどね。
(これでウェルテンパードのターンテーブルを回したかった。)

 かくして仕上がった、全段独立電源の全電池駆動オーディオ。まあ、どんなに褒めてもプラシーボという意見は返ってくるだろうな。グリュミオーの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータがクレーメルの名録音級に聞こえる、くらいで留めとこうか。

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