ヤフオクなどでエレキギターが出品されていると、よく「激鳴り」と書かれている。音楽ネタ、目次へ
そんないいものなら手放すはずないよな、嘘だと丸わかり、と反応していたが、実は「激鳴り」そんなにいいものではないような気がしてきた。まずは安物の場合、鳴っているというより「ビビっている」のである。ビビリ音は出ないとしても指板が盛大に振動する。何が問題かというとこの振動を抑えようとして、ついつい指に無駄な力が入ってしまうのである。
ではいいものの場合、これは楽典の教科書にも書かれている「同時に2つの音が鳴った時、その二つの音の差の周波数の音が発生する」がものすごく極端に出るのである。 夜叉流音階練習(私のオリジナルと言えばオリジナル)をやっているうちに弾いているはずがない音が出ることに気がついた。ひょっとして・・・。
さてギターの1弦開放はEで330Hz。2弦開放は247Hz。2弦開放を弾くとその振動は当然ボディに伝わりボディを振動させる。247Hzで。(とりあえず倍音は考えない。)
エレキギターというのは、磁性体である弦が、ピックアップの磁力線を乱すことによる電磁誘導で発電した信号が音になるわけだから、実はここでは1弦が静止していても(いる(ということにしよう)ピックアップはボデイとともに247Hzで振動しているのだから、2弦とピックアップの位置関係の変化により、1弦も(それを言うなら3〜6弦も)247Hzの音を出しているのである。
ここで1弦を弾くと1弦そのものは330Hzで振動するが、ピックアップは同時に247Hzでも振動している。つまり1弦とピックアップは330-247=83Hzでもくっついたり、離れたりしているのだ。つまり83Hzの音が同時に鳴る。
ただしこの場合、83Hzは6弦開放のE音と全くと言っていいほど同じ音程なので気にならない。しかしいつもこううまくいくとは限らない。どんなギターでも同様のことは起こっているはずだが今まで語られてきたことがないのはなぁぜ?(多分私の耳が良いから?・・・ということにしたほうがエレキギター界にとっては都合が良かろう。)
というわけで「激鳴り」というのは決して良いことばかりではないのである。夜叉流音階練習は指の形を整えるのにものすごく効果があるから紹介ビデオ撮りたいのだが、なかなかねえ。