セクハラの、ブームの陰で、泣く男

 セクハラをあえてブームと言ったが、規制の実態が今一つ捉え切れていないのでブームと言ってしまう。
 「○○をセクハラと感じるか」の問いへの解答が、どっちかというとセクハラを受けている方の性別の人のほうが甘いようなので、なおさらその感が強い。
 逆に言うと男性のほうがセクハラにたいする警戒が強く、ちょっとしたことでも、少なくとも面と向かってこれがセクハラかと問われれば、該当すると判断するようだ。
 私は美しい人を、美しいと讃えていないと体調が狂うとても本来的な人間であるが(出ましたハイッデッガー用語)多くの男性は同僚の女性を「セクハラになるのでは」と褒めそびれるようだ。ここに悲劇の生ずる余地がある。

 セクハラが問題となるのは、だいたいにおいて職場である。逆にいうと同じ職場でなければセクハラとは見なされにくい。ということは同じところで働いていない女性を褒める場合にはセクハラで訴えられる心配はまず無さそうだ。ぶっちゃけた話、ある女性がいて、その人に想いを寄せている男性が彼女を称えたいと思った場合、実行に移しやすいのは同じ職場の男性ではなく違う職場の男性だということである。
 そんなわけで、会社に好きな人が出来てもなかなか好意を伝えらない一方で、いつの間にかその人が、たまたま街で出会った人と仲良くなったりすることがありうる。くやしいだろうなあ。耐えられないだろうなあ。
 だってさあ、一緒に仕事をしてきて、こっちはある程度相手のことを分かっているつもりだし、仕事をしていないと分からないような特質は絶対あるはずだし、結婚後仕事についての理解もあるからそれなりにうまくいくだろうし、なのに何で「たまたまその日に彼女に会った」だけの運のいいやつにかっさらわれなければならないんだ。

 男をそんな気持ちにさせないために、女性の皆さん、どうか「きれいだよ」「かわいいよ」「好きだよ」は許容してあげてください。まだ表現する機会が与えられれば敗れても納得はするものです。まあ私のようなニョーボ持ちに連発されると違和感があるのは分かりますが。

 ちなみにタイトルが川柳になっていますが、わたくし、この辺も得意です。
世の中に まるで桜がなかったら 春は心がのどかだろうな
秋が来た 目でははっきり見えないが 風が吹いたらびっくりしちゃった
会ってから後の心に比べたら 昔はものを考えなかった
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