まちがいでんわを受けてしまったら

 受けた電話が間違い電話で、それを指摘しているのに、なかなか納得してくれないことがある。こりゃ駄目だわ、と思ったら英語で応対することにしている。英会話の練習にもなるし、どんな人でもすぐに間違い電話を自覚してくれる。一石二鳥である。

 これが留守番電話だとちょっと面倒になる。間違い電話なのだが、誰からかかってきたのか分からないから放っておく。まあ仕方がなかろう。
 しかし、間違いメールだとちょっとだけ困ったことになる。発信者が分かるからである。間違いを指摘してあげるべきかどうか、倫理的に困難な命題である。

 間違いメールを装った広告メールも存在しているので話は更にややこしくなる。
 気になるのは、メールの内容を見る限り、相手は明らかに困っていて、困っている内容がパソコンの設定のことだったりして、その設定が自分でも答えられる程度のことだった場合である。
 こういうものが、掲示板の発言にあれば、見ず知らずの人間でも答えてあげるころが多い。でも掲示板なら答えるが、間違いメールなら答えないというのでいいのだろうか。態度に一貫性を持っていることに誇りを感じる私としては、悩みの元である。
 残念なことに、というか、これ以上悩まなくて済むように、この手の間違いメールを女性からもらったことはない。
 ちなみに実際にはこのような宛先間違いの質問メールに返事を出すことはしない。失礼な輩に会ったことがあるので、このようなものも無視することにしている。
 いるんだよねえ、知っていることを教えてくれるのは当然で、好意で教えてもらっても、それでおかしかったら責任とるのが当然という発想の人間が。特に相手がパソコンだとそういう態度を失礼と思わないのが多い。だったら誰が教えてやるものか。
(これも国際標準なのかね。持てるものは持たざるものに施して当然であり、特に感謝の義務はない、という発想。)

 ただし、気が向くと宛先が間違ってますよ、というメールは返してあげることがある。
 しかし、ネチケットとして、間違いメールの処理をどうするか、というものは確立されているのだろうか。yahooの関連リンクにもそんな記述はない。

 ヨーロッパ的合理主義では無視するのが正しかろう。送った人間の理性というものは、当然送ることによるあらゆる影響を考察し、リスクを秤にかけることができるという前提があるから、送り間違いによって発生した問題にもきちんと対応できるはずである。間違えて送られた側が何らかのアクションを起こす必要はない。間違った側が全面的に悪いのだ。

 それでも間違い通知をしてくれたときは、とても喜んでほしいものである。それは間違いを指摘されるのはあまり気分のいいことではないけども。
 少なくとも「間違いでしたよ」とメールで指摘された場合の送り手は、一応詫びを入れておくのはエチケットだと思う。そういえば、同じような間違いメールを2通送ってきた奴に、宛先間違いを指摘するメールを送ったけども今のところ返事がない。多少不愉快である。
 よし、この不愉快を感じるのが嫌だから、宛先間違い通知メールを送るのは止めておくことにする。手間をかけた上に不愉快な思いをさせられたのでは割が合わない。それなりに合理的な理由だと思うがどうだろう。
 なお、この間違いメールの内容は「ネットワーク越しにファイルコピーができない」であった。文面が丁寧で、もう少し具体的内容を書いてくれていると、少しは役に立つことを書いてあげられたかもしれない。社内ネットだし。

 最も当たり障りがなく、かつ優しい解決策は、メールアドレスが発見できない際にメールサーバーソフトが返すメッセージを内容としたメールを作り、間違いメールを送った先に返信することであろう。これなら、うまくいくとスパムメール対策にもなるかもしれない。送信元のプログラムが宛先間違いのメッセージが返ってくると、自動的にアドレス帳から削除するように作り込んでくれているといいなあ。
 問題は、そんな文面やヘッダーを作るのが大変ということである。だれかBecky!やEudora用のプラグイン書いてくれませんか?

 ちなみに、間違い電話を受けたときの応対、私の知っているグランプリは

電話の主「ねえ、」
受けた人「え?なに?」
電話の主「ねえ、まだ怒ってる?」
受けた人「怒るとか、私たちそんな関係じゃないでしょ」(ガチャ)
 この話を聞いて、彼女の頭の回転の良さにしびれた。とっさにこんなセリフが出てくるとは。
 恐ろしいことに、何一つ嘘は言っていないのだ。(それは、見ず知らずの間柄なんだから怒る怒られる、という関係ではない。そう答えられてどうとろうが、それは間違い電話をかけた男の側の問題だ。)
 これもキャリアなのかなあ。(^^;
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