はりせんかまし大阪弁バージョン

 たまたま「はりせんかまし」でサーチエンジンを叩いたら、大阪弁に翻訳された「はりせんかまし」のトップページが見つかった。
 助詞、助動詞を大阪弁のものに置き換えるスクリプトがどっかにあるのだろう。似たようなものを私も見た覚えがある。そこで思いたった。「よし、一回大阪弁で書いてやろう!」
 なにをかくそう、私は京都&大阪で8年ほど過ごしている。大阪弁はそれなりに堪能である。だいたい大阪カルチャーに影響を受けてない人間が「はりせんかまし」などというタイトルを考えつくはずがない。いまだに商売の話になると大阪弁になる。ごく自然に「おおきに」と言えるようになったときはやっぱり嬉しかったなあ。

 大阪弁のレクチャーも友人から受けた。今思えば大阪弁の本質だったような気がする。《大阪では一般に権威に対する尊敬の念が低く、例えば標準語で「山田先生がご結婚なさった」も大阪弁では「山田のおっさんが嫁はんもらいよった」になる》というのは強く印象に残っている。

 ところが、ううう、一文字も書けない。。。いや、いちもじぐらいはかけるんやけど、なかなかニュアンスゆうんが出んでな、困りますねん。
 なんでこがいなことになったか言いますと、やっぱり連体修飾語ちゅうんがつかえんと何ゆうとるのかわかるもんやないわなあ。要するに大阪弁ちゅーのは、寅さんのセリフはそのまま置き換えられるけど、私のように枠構造を多用した日本語(谷崎文体とも言われる)はなかなか書けない。それが書ければ「大阪語」と言えるかもしれない。

 その代わり、メーカーやソフトハウスをコテコテにけなしまくるときには大阪弁の方が書きやすいかもしれない。for Example クルーソーがおかしいっちゅうんで、とばっちりうけたゆうんはわかるけど、新力の対応はちとゆるせませんなあ。なんですか、おかしいのがあるけど、どれかわからんから文句言われたときに対応するとかいうとりますけども、自分とこでつくっといてどれがおかしいかわからんというのも変な話ですなあ。NECはきちんとどれがおかしいゆうて対応できてますで。もし私がもっとったら「おかしいかもわからんのやったら代えてくれ」ゆうて引き取りに来させますわ。
 いかん。やっぱりクレームは河内弁じゃないと迫力がない。

 では、権威に媚びない大阪弁を話す人は他人を尊重していないのかというとそうでもない。むしろ東京弁を話す人より尊重しているという気がする。
 印象に強いのが、東京に出てきてお茶屋さんに行ったとき。4月に「贈り物に新茶はいかがですか」と売り込まれた。「八十八夜前に新茶やゆうて贈ったら、どやしつけられるわ」とかわすと、先方は「なぜですか、新茶は贈り物にいいんですよ」と怒ってきた。
 カルチャーショック。大阪でそんな失礼な応対をうけたことはない。これがもし京都なら翌日からその店はどうなるか分からない。お使いに来た子どもでも尊重してくれ、こんな応対は決してしない。
 その子がたまたまどっかの茶道の家元の子どもと遊び友達であって、その話がくるっと回って。。。という懼れが十分にありえる。
 そうなるとそのお茶屋さん。はせだにされますなあ。

 おっと「はせだ」というのは、郷里の方言で「なかまはずれ」のことです。語感が柔らかいのでついつい出てしまいます。なお郷里の方言で有名というと「なもし」ですかね。
 「なもし」を一躍有名にした夏目漱石「坊ちゃん」ですが、あれに書かれている方言は完璧です。さすが漱石、と言いたいところですが実際には地元の人のチェックが入っていたそうです。
 若き日の高浜虚子だそうです。。。さ、さすが。

 さて、この文章。大阪弁変換スクリプトを通すとどないなるんやろか。


 新力が「問題があれば個別に対処する」としていることには、結構大きな問題が絡んでいる。「当社の製品がおかしいかもしれない。しかしその検証は消費者がする必要がある」と言っていることになるわけだ。しかし、かの有名なPentiumのバグは、電卓でとある計算をすれば問題の有無が判別できたわけであるが、今回のクルーソーはどうなんだろう。
 登録ユーザーに新力は判別方法を連絡しているのでしょうか。ホームページには「リカバリーの動作が中断するなどの現象」があったら連絡してくれと書いてありますが。これだけで分かるのかは疑問疑問疑問。適当にぼかしているということは単にWindowsが落ちただけで「クルーソーがおかしい」という電話がかかってくるというリスクも甘んじて受けるということなのでしょうか。
 だいたい、そういう言い方で突破できるほどPL法というのは甘いものなのでしょうか。

 まあ、あの会社が製品の動作の安定性をどの程度重視しているかについては疑いを持っている。私がどうしても許せないのは、オートリバースのカセットデッキ。「ガチャン、ガチャン」と派手に音と振動を発して動く。アジマスが狂って当たり前だろう。消費者は確実な動作感を得るためには性能を犠牲にするとでも思っているのだろうか。製品自体はいいだけに残念。

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